2018/06/25

課税売上割合は95% 以上が有利

事業者のその課税期間中の総売上高(課税売上+非課税売上)のうちの課税売上高の占める割合のことを課税売上割合といいます。

消費税額は、原則「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いて算定しますが、「支払った消費税」のうち差引ける金額は課税売上割合を基準として変わります。

「え?支払った消費税は全部引けるんじゃないの?」と思われた方がいらっしゃると思います。「課税売上割合が95% 以上」であれば払った消費税を全額差し引くことができますが、95% 未満であれば、払った消費税はその割合に応じて差し引くことになります(簡易課税の場
合は関係ありません)。課税売上がゼロなら控除できる消費税もゼロになります。

<ポイント>
たとえば、居住用マンションの賃貸をしていて、売上が全て非課税である場合、課税売上割合はゼロ % ということになります。よって、課税仕入がどれだけあっても、控除できる消費税はありません。新規にマンションを建設しても、建設にかかる消費税は課税売上割合がゼロである以上は一切控除(還付)できないことになります。

しかし、課税売上がほとんどである課税事業者(本則課税)が新規にマンションを建設した場合は、建設にかかる消費税の全額控除が可能で、場合によっては多額の還付を受けられることになるのです(家賃収入発生による課税売上の変化によって差はある)。

また、たまたま土地などを売却した場合には、土地の売却は非課税なので、課税売上割合が著しく減少してしまう可能性もあります。それによって、当該年度は多額の消費税を納めなければならなくなるということもあるのです(一定の要件に該当すれば救済策あり。後述)。