2018/06/20

税抜経理が有利

消費税に係る経理方法は「税込経理」と「税抜経理」の2 種類があります。そのどちらを選択するのかは納税者の自由です。また、事業年度ごとに任意で選べますし届出も不要です(ただし免税事業者は税込経理のみです)。ではそれぞれの方法で損得があるのか?というと、実はあるのです。

税込経理について

会計処理をするにあたって、消費税込みの金額で処理します。決算書の売上や仕入、経費の金額はすべて消費税を含んだ金額で表示されます。
消費税の計算にあたっては、その総額表示された数値から課税、非(不)課税を分類し、課税取引から8% の消費税の金額を計算します。
日々の処理は簡単ですが、決算時に税抜処理に比して作業が必要です。

また、決算で確定された消費税が、別途租税公課として計上されるので、月次の試算表が正しい状況を示していないことになります。

税抜経理について

会計処理をするにあたって、本体価格とそれに対する消費税を仕訳記帳の都度区別します。
預かった消費税を仮受消費税、支払った消費税を仮払消費税といった科目で区分して計上して管理していきます。
会計ソフトの設定をきっちりしておけば、自動で仕分されますから基本的には問題ありません。
ただ、消費税の課税・非(不)課税の判断などを処理の都度正確にする必要があります。

【税抜経理の有利な事例】
例えば年間210 万円の交際費があった場合、税込経理では10% の21 万円が経費になりません。しかし、税抜経理であればこのうち消費税が10 万円なので、交際費200 万円と消費税10万円とに区別され、200 万円の10% の20 万円が経費にならないのです。ここで1 万円の差が
でてきます。
同様の理由で、税抜経理が少額固定資産の判定、修繕費の判定や少額交際費の判定で税務上有利になることもあると考えられます。