2018/06/05

棚卸資産の取得価額をチェックして節税

棚卸資産の取得価額とは?

棚卸資産の取得価額は、原則は購入代価と購入諸費用及び付随費用の合計額です。

(1)購入代価とは仕入先に支払った商品の本体価格です。
(2)購入諸費用とは引取運賃、購入手数料、関税など購入に際し、直接要した費用です。
(3)付随費用とは購入事務、検収、整理、手入れなど販売のために、直接要した費用です。

購入諸費用と付随費用の合計額が、購入代価のおおむね 3% 以内の少額なものは、取得価額に含めなくてもいいことになっています。

さらに、棚卸資産が不動産等の場合、その取得又は保有に関する費用で次の費用は、取得価額に含めなくてもいいことにもなっています。

不動産取得税
固定資産税・都市計画税
特別土地保有税
登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
借入金の利⼦

<アドバイス>
在庫(棚卸資産)は決算利益に大きく影響を及ぼします。そのため、税務調査の際は、注意を要する項目です。会社の内部の計算で簡単に調整ができるので、利益調整が容易と思われるからです。

特に期末付近での仕入については納品伝票などでその流れを細かくチェックされます。期末付近で仕入れたものが、正しく売上に計上されているか、在庫に計上されているかというチェックです。

どこにも上がっていないということになると問題ですよね。

税務調査における棚卸資産のチェック項目

◆期末棚卸の数量、評価に間違いまたは故意による改ざんがないかどうか 。
◆棚卸資産の除外がないかどうか。
◆購入諸費用、付随費用が計上されているか。
また次のような在庫には注意が必要です。

(1)出荷済み在庫

決算日までに出荷済みの商品でも、売上が検収基準などで翌期の売上となるものは、期末在庫に含めて計算する必要があります。期末付近での出荷分は注意が必要です。

(2)未到着在庫

決算日に仕入先から未到着の商品でも、当期の仕入となるものは期末在庫に含まれます。
仕入伝票などから未到着の商品の金額を計算し、期末在庫の金額に含める必要があります。

決算期には、期末付近の仕入の請求書などから、それらが在庫に計上されているのか、いつ売上に計上されているかを確認するのもチェックのポイントです。

節税目的だけでなく、在庫管理は経営の基本です。棚卸を正しく把握して、より適切な経営を行ってください。