2018/05/30

売上計上を遅らせて節税

みなさんは、売上の計上時期について注意して考えたことがあるでしょうか。商品出荷販売の場合、売上を計上すべき時期は次のうち、いつでしょうか?

(1)商品を出荷した時
(2)相手方が商品を引き取って検収した時
(3)売上を締めて請求書を発行した時
(4)売上代金を回収した時

(1)が広く一般的な売上計上時期で、税務上も問題ありません。

(2)は検収基準といって、この方法も税務上認められており、売上計上時期を遅らせることができます。「検収」とは、納品の相手方が商品を点検した後に販売者に通知することで、この検収基準は製造業者間で多くみられます。

(3)は基本的には間違いです。しかし、たとえば売上を毎月20 日で締めて請求していて、その請求分を当月分として継続的に売上計上している一定のケースでは認められる場合があります。(締め後10 日分の帳端は売上計上されないことになります)。

(4)は間違いです。
現金取引中⼼の小売・サービス業など商品、サービスの提供と代金回収が同時の場合は基本的に問題ありませんが、決算では売掛金を売上に計上する必要があります(前期末に計上した売掛金を洗換します)。

検収基準

(設例)3 月決算の物品販売業を営むA 社が、B 社より商品の受注を受けました。
出荷した日・・・・・・・・・・・・・平成2× 年3 月30 日
買い手が検収をした日・・・・・・・・平成2× 年4 月 1 日

上記の設例ですと、買い手が検収をした日で売上を計上すれば、翌期の売上になります。

⻑い目でみれば同じかも知れませんが、その決算だけを考えれば、売上を翌期に計上することで所得を減らすことになり、又、消費税課税事業者の場合は今期の消費税を節税することができます。

売上が、ぎりぎり1,000 万円を超えそうとか、5,000 万円を超えそうなんて時には消費税の関係で⾯倒でも検討したくなりますね。

<注意点>
(ア)売上計上基準を変更するには合理的な理由があること
(イ)継続適用すること

期末に売上を計上したくない場合、その他の対処方法としては、可能であれば翌期に出荷をズラすか、決算期変更などで対応するしかないですね。