2018/05/18

交際費等の取扱いに注意

交際費等とは?

交際費等とは、会社がその得意先や仕入先その他事業に関係ある者等への接待、供応、慰安、贈答などために支出する費用のことをいいます。得意先や仕入先に限らず、役員、従業員、株主等のための支出も内容によっては交際費等となります。

交際費等は原則として法人の損金とはなりません。

会社がどんな勘定科目で会計処理をしたとしても、その内容が交際費等であれば税務上、交際費等として取り扱われます。

損金として認められる金額

(1)交際費等の600 万円以下の部分について、その10% が損金として認められません。
要するにその90% は損金として認められます。
(その事業年度終了の日における資本金の額等が1 億円以下である法人に限ります)
緊急経済対策として、H21 年4 月1 日以後に終了する事業年度から損金算入限度額が400 万円から600 万円に引上げられています。

(2)一人あたり5,000 円以下の飲食代等は一定の要件を満たせば損金として認められます。
(社内飲食費を除きます。社内飲食費とは、専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出する飲食費をいいます。)

一定の要件とは、下記に掲げる事項を記載した書類を保存することです。
領収書に書き込んでおけばOK です。
① その飲食等のあった年月日
② その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係ある者等の氏名又は名称及びその関係
③ その飲食等した参加した者の数
④ その費用の金額並びに飲食店、料理店等の名称及び所在地

また、1 次会、2 次会と接待等(飲食)が行われる場合であっても、別の飲食店を利用していれば、それぞれの飲食店で判定することになります。

1 人当たり5,000 円を超えるようであれば隣の店(別の店)へ行けばOK です!

交際費節税のテクニック

(1)交際費等の支出が600 万円を超えるようであれば、会社を分割して2 社にする。
(600 万円の枠が2 つできます)。

(2)渡し切り交際費といって、役員報酬や営業社員の給与を増額して、個人が交際費等を負担するなどの方法があります。

会社が交際費加算の法人税を負担するより、個人が給与として受けて所得税等を負担するほうが税金が安い場合にそのような手法も考えられます。

ただし、税務署は交際費として加算できないので、過大役員報酬損金不算入の規定を適用しようとしてくる場合があるかもしれません。

交際費判定の事例

例1:得意先を料亭で接待し、帰りがけにお土産を渡し、自宅までタクシーで送った。

料亭での接待費用及びお土産代は、交際費です。タクシー代も料亭での接待に関するものであり、交際費となります。
交際費等は接待、交際費等のために直接支出するものだけでなく、これらに伴って支出した一切が含まれます。

例2:ある社員とコミュニケーションを図るため、高級レストランで一緒に飲食した。

特定の社員のみを対象として、高給レストランで飲食しているので、福利厚生費ではなく交際費になります。通常の食事程度であれば福利厚生費で認められるでしょう。

例3:取引先との商談でランチ程度の食事と1 人1 本程度のビールを飲んだ。
「通常供与される昼食程度」の範囲内と考えられますので、会議費として差し支えありません。
アルコールの有無で判定されるものではありません。お茶がわりにビールや酒をコップ1 ~2杯程飲んでも通常の会議費の範囲を超えない限り交際費になりません(措通62(1)-16)。