2018/04/10

特別償却・税額控除を活用して節税

一定の機械等を購入すると、使用初年度において通常の普通償却費の他に償却費を上乗せ出来る特別償却や、法人税額から直接税額を差し引く税額控除の適用が可能です。

対象となる機械等の要件

(1)1 台又は1 基の取得価額が160 万円以上の機械装置
(2)1 台又は同一種類の複数設備の取得価額の合計額が120 万円以上のコンピューター、デジタル複合機
(3)取得価額の合計額が70 万円以上のソフトウェア

特別償却額 : 取得価額 × 30% を限度
税額控除額 : 取得価額 × 7% で、かつその年の法人税額の20% 相当額が限度

<注意点>
(1)特別償却と税額控除の重複適用は出来ません。どちらか一方を選択することになります。
(2)適用対象は青色申告法人で、特別償却は資本の金額が 1 億円以下、税額控除は資本の金額が 3,000 万円以下の法人です。
(3)適用対象はいずれの資産も新品のものに限られ中古資産は適用されません。
(4)リース業や娯楽業、バー及びキャバレー等の事業は対象事業者から除かれます。
(5)医療用機器は「器具及び備品」になるため、対象となる機械等には該当しません。

特別償却と税額控除どちらを選択すれば?

特別償却と税額控除はどちらか一方を選択する事になりますが、どちらを選択するのがよいか迷うところです。
「両方の計算をしてみて、より税金が安くなる方を選べばいいのでは?」確かにそれも選択肢の一つです。
しかし特別償却というのは初年度に2 年目以降の減価償却費を先取りする制度であって、対象資産の減価償却できる総額は変りません。

一方、税額控除を選択すれば、税額の控除を受けた上に、さらに通常の減価償却はそのまま行う事が出来るので、トータルでは税額控除分だけ別途得する勘定になります。

<ポイント>
特別償却を選択しても、税額控除を選択しても償却費の総額はどちらも全く同じなのですから、長い目でみれば、ニ本立てとも言える税額控除を選択する方が有利と言えます。

選択は会社の資金繰り次第?

会社の利益の状況にもよりますが、単年度で考えた場合、高額な資産であれば特別償却による節税効果は大きいものになります。

税額控除の場合は、法人税額の 20% を限度とされていますから、「会社の資金繰りの関係からとにかく税金が安くなる方を」ということでしたら特別償却を選択することもあるでしょう。

まずは、それぞれのシミュレーションしたうえで納税資金、資金繰りを検討しどちらを選択するか決められるとよいでしょう。