2024/05/29

令和6年改正のお役立ち情報

森林環境税の導入

森林環境税は、令和6年から1月1日に国内に住所を有する個人に対して一律で年額1,000円が課される国税です。
徴収方法は、国税ではあるものの、個人住民税の均等割と併せて賦課徴収されます。
ただし住民税均等割が課税されない方は、徴収されません。

これまで令和5年までの10年間は、東日本大震災からの復興に関する防災施策財源のための臨時的な措置で1,000円(都道府県500円・市町村500円)が加算して徴収されていましたが、そちらに代わって徴収されますので、徴収年税額は以前と同様です。
 
大阪市の場合ですと、令和5年度以前の個人住民税均等割は、
府 民 税1,800円(臨時500円含む)
市 民 税3,500円(臨時500円含む)
 合 計 5,300円

令和6年度以降は、
府 民 税1,300円
市 民 税3,000円
森林環境税1,000円
 合 計 5,300円

導入の目的としては、パリ協定の枠組みにおけるCO2や温室効果ガスの削減目標達成のため、災害対策としての森林整備、林業の担い手不足に対する人材整備などが挙げられています。

相続登記の義務化

以前から日本全土の土地のうち、所有者不明のものが約20%~25%ほどもあると言われており、公共事業や災害復旧、民間取引の大きな妨げになっています。
特に東日本大震災で、土地の所有者が分からないことが復興の妨げになったことで、問題が露呈しました。

高齢化が進む今後、さらにその状況が悪化していくことが懸念されたため、相続により不動産を取得した相続人は、不動産の取得を知った日から3年以内に登記を行わなければならないこととされました。

この義務化は、令和6年4月1日以後に不動産所有権を相続により取得した者が対象です。
正当な理由なく登記義務を怠ると10万円以下の過料の対象となります。

さらに、この義務化は過去の相続にも適用がなされます。
つまり、令和6年3月31日以前の相続でも、不動産所有権の相続を知った日と、改正法施行日(4月1日)のいずれか遅い日から3年以内に登記をしなければならないこととされました。
従って、まだ過去の相続登記を行っていない方も、遅くとも令和9年3月31日までには登記を行う必要があります。

社会保険の適用対象者拡大

社会保険は、フルタイムで勤務する従業者や、フルタイムの3/4以上の時間働かれる方に加入義務があります。

上記の要件に該当している者が51人以上の事業所は、令和6年10月1日より、パートやアルバイトなどの短時間労働者にも社会保険の加入が義務付けられますこととなります。

短時間労働者のうち、加入義務が生じる対象者は、
①週の所定労働時間が20時間以上
②月額賃金が88,000円以上
③2か月超の継続雇用見込み
④学生でない
のすべてに該当する方です。

事業所の人数要件が以前は101人以上だったところ、51人以上と範囲が拡大されました。
最低賃金が上昇傾向である今日、社員を多く抱えていらっしゃる事業所さんは該当する可能性がありますので、ご確認ください。

記.大阪事務所2課