ダイレクト納付の活用方法
ダイレクト納付
ダイレクト納付とは、事前に税務署に届出をしておけば、e-Taxを利用して電子申告または納付情報登録依頼をした後に、簡単な操作で届出をした預貯金口座からの振替により、即時または指定した期日に電子納付することができる手続です。
ダイレクト納付の予納とは
ダイレクト納付を利用している方であれば、確定申告により納付することが見込まれる金額について、その課税期間中に、あらかじめ納付日や納付金額等をe-Taxに登録しておくことで、登録した納付日に預貯金口座から振替により納付(予納)することができます。
納付日や納付金額を複数登録することができますので、定期的に均等額を納付することや、収入に応じて任意のタイミングで納付することができます。
利用可能税目は、申告所得税及び復興特別所得税・贈与税・法人税(地方法人税)・消費税及び地方消費税です。
予納をするメリット
ダイレクト納税の予納では、納付日と金額を独自に決めることができます。
つまり、収入に応じた任意のタイミングで納付することが可能、といった資金繰りに考慮した納税ができます。
納付日や金額は前もって予約をすることができるので、払い忘れ防止にもなります。
銀行に行かなくても、簡単な手続きで納税でき、手間を省いて計画的に納税できるため、非常に便利な制度です。
具体的な手続きの流れと注意点
<手続きの流れ>
1)e-Taxの利用開始手続
※既に利用開始届を提出していて再度届出して重複すると過去分情報が消去されますので十分ご注意ください。まずは自社の関与税理士にお尋ねください。
2)納税用確認番号等の登録
3)ダイレクト納付届出書の提出
4)新しく予納の申し出を申請
5)残高確認、納付確認
<注意点>
・土日祝、年末年始、金融機関の営業休業日を予納日とすることはできません。
・仮に予納額が確定税額を超えた場合には、その超過額は確定申告時に還付されます。
任意の中間申告制度と組み合わせる
少し話がそれますが、消費税は滞納の多い税目です。年によっては予定納税したいが、予定納税がない年もあると思います。この場合にダイレクト納付が活用できます。
ちなみにこの制度の対象者は個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度の消費税の年税額が48万円以下(注※)の者です。(注※)地方消費税額は含みません。
手続きとしては任意に六月中間申告書を提出しようとする六月中間申告対象期間の末日までに「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」を提出し、仮決算を組んで中間申告書の提出および納付という流れになります。
キャッシュレス時代
繰り返しになりますが消費税は滞納の多い税目です。国税庁の滞納状況でも、新規発生滞納額が全税目の半分以上を占めている状況です。実際には手元にあるお金ですから、事業資金がひっ迫するとどうしても手をつけてしまいがちです。これに対抗するには解約できない外部に預けてしまうしかありません。
そこで活用できる制度が、このダイレクト納付を利用した予納です。これは、毎月の均等額納付も可能ですし、または、収入に応じた任意のタイミングで納付することも可能です。
自社の事業が季節的な売上の増減がある場合には、年間で一番お金の入ってきたタイミングで、中間申告に関係なく、納付できます。消費税納税で苦慮した経験がある場合には、一度ご検討してはいかがでしょうか。
ダイレクト納付は、事前に振替納税される口座を登録しておき、即時もしくは指定日に税金が振替納税される手続です。
電子申告等の後、簡単な操作で納付手続が完了します。
自社でインターネットバンキングの契約がない場合にも使えます。源泉所得税等の毎月の納付手続など、特に利用回数の多い手続きに便利かと思います。
不便なら使うのを止めればよいだけです。継続性は求められていませんのでお試しして損はないと思います。
計画的に納税していくことによって資金繰りの安定性、引き落としにすることによって時間と手間も省くことができるダイレクト納付の予納をご紹介しました。
国税庁は令和6年5月送付分(4月決算法人)から納付書の事前送付を取り止めにすると広報しています。
ちょうど良いタイミングだと思いますので、この機会にぜひご検討ください。
記.大阪事務所2課