2023/11/29

iDeCo(イデコ)について

イデコは誰でも利用出来るの?

当初は60歳未満まででしたが、2022年10月の改正から、65歳未満まで加入対象が拡がりました。具体的には下記の様になっています。

第1号被保険者・・・・20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス等
第2号被保険者・・・・厚生年金の被保険者(会社員、公務員)
第3号被保険者・・・・厚生年金被保険者の扶養配偶者(20歳以上60歳未満)
※国民年金に任意加入した方は65歳まで加入対象になります。
 
イデコに拠出できる金額には上限があり、年金によって下記の違いがあります。
第1号被保険者(自営業等)は月額68千円(年額816千円)
第2号被保険者(会社員等)は月額23千円(年額276千円)
※会社で企業年金等に加入している場合は、それぞれの掛金との合算による上限額の調整があります。
第3号被保険者(専業主婦等)は月額23千円(年額276千円)

掛金の税制メリットは?

掛金は「社会保険料控除」として全額が所得控除になります。つまり、国民健康保険料、国民年金、小規模共済などと同様の扱いになります。

例えば会社員が毎月20,000円、年間240,000円の掛金を拠出した場合

所得税率を10%とすると住民税は一律10%なので税率は計20%で、年間4万8千円の節税になります。仮に40歳から60歳まで払い続けると総額96万円の節税になります。
※復興特別所得税は省略しています
所得税の最高税率は45%ですから、高額な報酬の方は、より大きな節税効果の税制メリットを享受することが出来ます。当たり前ですが、専業主婦や育児・介護休業中などで収入のない方は、掛金の税制メリットは関係ありません。また、掛金を運用して儲けた利益にも税金はかかりません。
通常、金融商品の運用益には税金(源泉分離課税20.315%)がかかりますが、イデコでの運用益は非課税です。
※積立金には特別法人税がかかりますが、現在は凍結されています。

受け取るときにも税制優遇措置が!

将来、イデコを一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受けとる場合は「公的年金等控除」という大きな控除が受けられます。
受給できる年齢は、加入期間等によって決まります。

10年以上     60歳      8年以上10年未満   61歳
6年以上 8年未満 62歳      4年以上 6年未満   63歳
2年以上 4年未満 64歳      1月以上 2年未満   65歳

年金として受給するか、一時金として受給するか、また一部を年金残りを一時金として受給するかは加入者が選択できます。

受給した時の税金は?

年金として受給する場合は、その他の公的年金と合算して公的年金控除を受けることが出来ます。
一時金として受給する場合は「退職所得控除」が適用できますが、他に退職金等を受給する場合は、受給時期に注意が必要になります。
退職所得控除額は、勤続年数20年超の場合は1年勤続年数が増えるごとに70万円の控除額が増加します。4年以内の間に、複数の退職金を受給した場合は、退職所得控除の勤続年数の計算に制限が加えられています。

仮に、60歳で、勤めていた会社の退職金を受給、62歳でイデコの一時金を受給、65歳で小規模共済の一時金を受領した場合には、それぞれの退職金の税金を計算をするときに、満額の退職所得控除を受けられない場合があります。
将来、受給する時には、少し受給時期にも注意が必要ですね。加入者が死亡した時には、遺族が死亡一時金として受け取ることができます。

本当に良いことばかりなのか?

こう書いてきますと、良いことばかりで、すぐにでも加入したくなりますが、気になる点もあります。

イデコのデメリット?

1.元本割れ
運用は加入者自身が行いますので、運用先によっては元本割れする場合があります。

2.途中で資金を引出できません
原則、60歳まで引き出すことが出来ません。何かで急に資金が必要になることも想定して掛金を決める必要があります。

3.口座手数料がかかります。
加入時の手数料や毎月の口座手数料がかかります。でも、これは掛金の所得控除で賄える金額かと思います。
  
以上がイデコについてですが、掛金の所得控除が最大のメリットかと思いますので、高額所得の方は、加入を検討されてはいかがでしょうか。

記.大阪事務所3課