2023/11/15

入院給付金の取り扱い

個人が受け取る入院給付金の取扱い

個人が入院給付金などを受け取った場合は非課税となります。
生命保険契約にもとづく給付金・保険金を身体の疾病や傷害などによって受け取ったものは税法上非課税となっており、入院給付金のほか手術給付金、通院給付金、特定疾病(三大疾病)保険金、介護保険金、高度障害保険金などケガや病気で受け取る給付金などは非課税ということになります。
よって、確定申告で税金の申告をする必要はありません。
しかし、確定申告で医療費控除を受ける場合には、病院に支払った医療費「支払った医療費の額」から入院給付金で補てんされた金額「生命保険や社会保険などで補てんされる金額」を差し引かなくてはならないので注意が必要です。計算上、その支払った医療費より補てんされた金額のほうが大きい場合でも、給付の原因になった医療費のみから差し引くため、他の医療費から差し引く必要はありません。

法人が受け取る入院給付金の取扱い

個人が受け取った入院給付金は非課税ですが、法人が受け取った場合も非課税となるのでしょうか。

法人が従業員のために医療保険に加入している場合、従業員のケガや病気などで入院すると、保険会社から入院給付金を受け取ることがあります。
受け取った入院給付金は法人にとって収益となり、この収益は課税の対象となります。一般的には「雑収入」の勘定科目を使用し、収益として処理します。

続いてこのように従業員が入院し、法人が保険会社から入院給付金を受け取った場合、入院した従業員に対して見舞金を支払うということもあると思います。
ではこの支払った見舞金は、どのような取り扱いになるのでしょうか。
原則、従業員に支払った見舞金は経費になります。
一般的に、従業員に支払った見舞金は「福利厚生費」の勘定科目を使用し、費用処理することになります。

従業員へ見舞金を出す場合の注意点

見舞金を支払った場合は法人の経費とすることができます。しかし、その見舞金を経費とするには注意点が2点あります。

1.慶弔規程の作成
支払った見舞金を福利厚生費として経費にするためには、慶弔規定を作成し、あらかじめ支給条件を定めることが必要になります。勤続年数や入院日数などで支給対象者をあらかじめ明らかにしておきましょう。

2.社会通念上相当とされる金額
支払った金額すべてが経費と認められるわけではなく、見舞金の金額は社会通念上相当とされる金額以内にする必要があります。社会通念上相当とされる金額については法人税法では決められていませんが、過去の裁決事例より、上限金額は5万円(入院一回あたり)が目安となっているため、それを超える金額は経費と認められない可能性が高くなります。

福利厚生費として経費に認められなかった場合には、従業員の場合は給与、役員の場合には役員賞与といった扱いになってしまうので、見舞金を支給する際には注意が必要です。

記.大阪事務所3課