2023/06/01

住宅ローンと不動産共有持分

住宅ローンの借り方と持分割合

住宅ローンを組む時の借り方について3種類ある事を知っておいてください。

ペアローン(夫婦各々がそれぞれローンを組む)

住宅の価額 5000万円
夫の借入金 3000万円
妻の借入金 2000万円

持分割合 夫 3/5 : 妻 2/5
このように不動産登記を行う事になります。そして、それぞれが住宅ローン控除を受けることになります。
各人の借入金はそれぞれ借入金の名義人が返済しなければなりません。妻の借入金を夫が負担すると債務弁済益という贈与の問題が生じます。

連帯保証型ローン

連帯保証型とは債務者は1人で単独名義で住宅ローンを組むことになります。夫がローンを組んで妻が連帯保証人となるパターンです。この場合は、不動産は夫の単独所有となります。

住宅の価額  5000万円
夫の借入金  5000万円

夫の単独所有 凄くシンプルですね。

連帯債務型ローン

連帯債務型とは1つの住宅ローンを夫婦2人が債務者となって返済する借り方です。連帯保証とは違い夫婦2人とも債務者となります。この場合2人でローンの負担割合を決めてその金額に従って持分割合が決まることになります。

住宅の価額  5000万円
2人の借入金 5000万円 

2人のそれぞれの収入から今後の借入金負担額を計算して負担総額に応じて持分割合を登記することになります。
仮に5000万円を夫が4000万円返済し妻が1000万円を返済する事とした場合には、持分割合 夫 4/5 : 妻 1/5とすべきです。

連帯債務型で単独所有の場合

ハウスメーカーで住宅を建築の際に住宅ローンについてもアドバイスをしてくれることが多いようです。
私もローンを組んだ時は、新婚当時で経済力が不足しており借入目標額まで若干収入が足りませんでした。そこで、妻の収入を合算して連帯債務でローンを組みました。

メーカーの担当者は連帯債務だから奥さんの持分割合を付けないと贈与税が掛かりますよとアドバイスしていただきました。しかし、私は妻が今後10年間は子育てのため専業主婦となることを見越してあえて私の単独所有で不動産登記をしました。
連帯債務だから共有名義になるという思い込みは間違いです。国税庁には下記のように記しています。

住宅を取得するための借入金が夫婦の連帯債務となっている場合であっても、その取得した住宅が夫の単独所有となっているときは、原則として、当該借入金の総額が夫の借入金額であり、住宅借入金等特別控除についても全額が夫の計算対象となるとあります。

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/06/37.htm

このように、税務的な問題はクリアしているのですが、それ以外の問題が我が家で勃発してしまいました。妻は、自分の持分がない事につき納得できなかったようで『借入金の金額を増やすために私を利用した』と事あるごとにこの問題を持ち出して私に嫌味を言います。税務の問題より非常に厄介です。自分としては妻に借金を背負わせたくない親心、いや夫心のつもりだったのですが・・・・・。

頭金を出した場合の持分

見出しのように頭金を出したうえでローンを組んだ場合は、もうお分かりと思いますが負担額の合計で持分を登記することになります。

最初のペアローンの事例で説明しますと、

住宅の価額 6000万円

夫の借入金 3000万円 + 頭金 500万円 =3500万円
妻の借入金 2000万円 + 頭金 500万円 =2500万円

持分割合 夫 7/12 : 妻 5/12 となりますね。

夢のマイホーム、後で課税上の問題が起こらぬようシッカリ計算して間違いなく持分登記をしましょう。
そして、持分と連帯債務の負担割合についても夫婦間で納得いくまで話し合いましょう。でないとローンが終わった後でもこの問題は尾を引く事になります。

記.名古屋事務所1課