2023/03/23

自動車のリサイクル預託金

リサイクル預託金とは

リサイクル預託金は以下の項目により構成されています。

①シュレッダーダスト料金
②エアバッグ類料金
③フロン類料金
④情報管理料金
⑤資金管理料金

リサイクル預託金相当額については、使用済自動車から発生する廃棄物の処理やリサイクルを行うための費用として自動車の取得時に購入者が支払います(預託金は車体の大きさ等により異なります)。
リサイクル預託金のうち資金管理料金を除く部分は、廃車まで資金管理法人(自動車リサイクル促進センター)により管理・運用される仕組みで、例えば所有者が中古販売業者等へ車を売却する場合は、車と一緒にリサイクル料金支払ったことを証明するリサイクル券を譲渡することになります。

会計処理・消費税の課税区分の取り扱い

「購入」「売却」「廃車」ごとに整理しますと

1.購入時の処理
上記⑤資金管理料金については購入時の費用となり、損金として計上することができます(消費税区分は「課税仕入」)。それ以外(①②③④)については、廃車時の費用となるため、購入時点では費用とすることはできません。会計処理としては「前払費用」「預け金」「預託金」などの資産科目で処理します(消費税区分は「課税対象外」)。

2.売却時の処理
自動車を売却したとき(下取りを含む)は、リサイクル券もあわせて譲渡することになりますので、会計処理としては購入時に計上した資産科目を減少させることになります。このリサイクル券の譲渡は金銭債権の譲渡(消費税区分は「非課税売上」)となり、金銭債権の譲渡額の5%部分のみを課税売上割合の計算で分母の額に算入することとされています。

3.廃車時の処理
自動車を廃車したときは、自動車の廃棄(リサイクル)というサービスを受けることになり、購入時に計上した資産科目を費用処理することになります(消費税区分は「課税仕入」)。なお、消費税の税率については、サービスを受けた時の税率が適用されます。

課税売上割合計算(消費税の計算)に注意

リサイクル預託金自体は少額ですが、不課税取引と非課税取引の違いによって、消費税申告時の仕入控除金額計算に影響を与える課税売上割合 (消費税法第30条第2項)
または、課税売上に準ずる割合 (消費税法第30条第3項)が異なります。

         課税期間中の課税売上高(税抜き)
課税売上割合= ―――――――――――――――――――
         課税期間中の総売上高(税抜き)

上記の課税売上高=課税売上高+免税売上高
上記の総売上高 =課税売上高+免税売上高+非課税売上高

となりますので、非課税売上高が課税売上割合に影響を与えます。
これに対し、不課税取引の金額はこの算定式に含まれないため、不課税取引なのか非課税取引なのかにより、仕入控除金額が変わり、納付または還付される消費税額に影響を及ぼす可能性があります。

記.大阪事務所2課