2023/02/27

消費税の2割納税(特例)

消費税の2割納税は誰でもできる?

インボイス制度開始に伴う消費税負担軽減措置として、消費税の2割納税(小規模事業者に係る経過措置)があります。
これは、最長3年の時限措置を設けて、その間の消費税の納税額を売上税額の2割に抑える措置です。

この措置については、全ての消費税納税義務者が対象となるわけではありません。
次の事業者が対象になります。

〇免税事業者がインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)の登録を受け、登録日から課税事業者となる事業者ただし次の事業者(インボイス制度登録と関係なく事業者免税点制度の適用を受けられない場合)は除く
・基準期間における課税売上高が1000万円を超える場合
・資本金1000万円以上の新設法人である場合
・その他調整対象固定資産や高額特定資産を取得して仕入税額控除を行った場合等

課税期間を1ヶ月又は3ヶ月に短縮する特例を受けている場合も対象外です。

要は次の全ての要件に該当する場合が適用対象です。
・インボイス発行事業者の登録を受けている
・仮にインボイス発行事業者の登録をしていなければ免税事業者のままであった
・課税期間の短縮特例の適用を受けていない

なお、免税事業者が課税事業者選択届出書を提出した上で登録を受けてインボイス事業者となる事業者についても上記対象要件に該当しなければ適用対象になりますが、インボイス制度施行前(令和5年10月1日)からその届出の効力で課税事業者になっている場合には、例え適用対象期間内であってもインボイス制度施行前の期間を含む申告については、2割納税の適用を受けることはできません。仮にこの期間も2割納税の適用を受けたい場合には、その課税期間中に課税事業者選択不適用届出書を提出し、その課税期間からの効力を失効させることで、令和5年10月1日より前までの期間については納税義務者から外れ、令和5年10月1日から納税義務者となった期間について2割納税の適用を受けることが可能となります。
(財務省「インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答【問1、5】より」)

2割納税の適用を受けるには

ではこの2割納税について、簡易課税制度のような事前の届出が必要なのでしょうか。また簡易課税制度のように継続適用のしばりがあるのでしょうか。財務省の同案【問3、4】には以下のように記載があります。

・事前の届出は必要ない
・申告の際に適用を受ける旨を申告書に付記すればOK
・適用は申告のたびに選択可能(継続適用要件なし)

適用期間

適用期間は令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間で、最大4回(期)適用できることになります。(財務省の同案【問2】)

インボイス制度開始以降のいわゆる「免税事業者からの仕入に係る経過措置※(仕入税額相当額の80%)」と同じ期間ですね。

※期間                     割合
令和5年10月1日から令和8年9月30日まで  仕入税額相当額の80%
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで 仕入税額相当額の50%

記.大阪事務所2課