2021/01/04

中小企業者に関係する改正事項について

中小企業投資促進税制等

中小企業投資促進税制は、以前よりあるものですが、2年延長予定です。
その適用要件の対象業種に以下の業種が加えられる予定です。

不動産業
物品賃貸業
料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他のこれらに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る)
※中小企業投資促進税制は、青色申告書を提出する中小企業者などが指定期間内に、一定の設備投資を行った場合に特別償却(30%)または税額控除(7%「個人事業主、資本金3000万円以下の中小企業に限る」)の適用を認める措置です。

中小企業経営強化税制も一部の改正予定ですが、同様に2年延長予定です。
こちらの制度には、上記の対象業種は以前より含まれていたため、対象業種がこれで同じとなるようです。

商業・サービス業・農林水産業活性化税制は、延長されず、令和3年3月31日で終了予定です。

所得拡大促進税制(中小企業向け)

所得拡大促進税制は、青色申告書を提出する中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合に、その増加額の一部を税額控除できる制度で、以前からあるものですが、要件の見直しがされたうえで2年延長される予定です。
 
「今までの要件」
継続雇用者給与等支給額が、前年度との比較で1.5%以上増加

「改正後の要件」
給与総額(雇用者給与等支給額)が、前年度との比較で1.5%以上増加

ここでは、継続雇用者給与等支給額や雇用者給与等支給額の説明は割愛させて頂きます。
上乗せ措置の要件も同様に「継続雇用者給与等支給額」から「給与総額」との比較となります。

新たな雇用の増加で、前年より給与総額は増えているが、継続雇用者の増加の要件を満たしていなかったため、所得拡大促進税制が適用できなかったケースもありましたが、これで、適用できる方は増えると思われます。

また、雇用調整助成金等の「給与等に充てるため、他の者から支払いを受ける金額」については、要件の判定時は控除せず、税額控除を計算する時には控除することとなります。

その他

「納税地の異動があった場合における質問検査権の管轄の整備」

こちらは、あまり関係ないかと思いますが、税務調査に関係するということで、記載させて頂きます。

過去に税務調査の連絡があった際に、本店を数日後に管轄外地域に移転するということで、税務調査がなくなったケースがありました。
 
税務調査を逃れるため、移転される方がいるためなのか分かりませんが、以下の整備がされる予定のようです。

法人税等に関する調査について、調査通知後に納税地の異動があった場合において、その異動前の納税地の所轄税務署長等が必要があると認めるときは、その異動前の納税地の所轄税務署の当該職員が質問検査権を行使することができることとする。
上記の改正は、令和3年7月1日以後に新たに納税者に対して開始する調査及び当該調査に係る反面調査について適用する。

記.東京事務所1課