GoToトラベルを利用した際の消費税について
GoToトラベル事業の概要
GoToトラベル事業は、宿泊・日帰りの国内旅行を対象に、旅行代金の2分の1相当額の給付(支援)を行うもので、給付額のうち7割は旅行代金の割引(旅行代金総額の35%)に、3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与されます。
1人1泊当たり2万円が給付上限、日帰り旅行については1万円が給付上限となっています。
11月6日予約分から、ビジネス出張を目的とした旅行商品は支援対象外になり、11月17日から連泊制限(8泊以上から対象外)が導入される他、地域共通クーポン利用についても、多少条件が変更されました。
旅行代金の充当の取扱いについて
旅行代金の支払が割引になることをお伝えしましたが、旅行代金そのものは値引きされているわけではありません。
旅行者が実際に支払う金額は少なくなっていますが、旅行代金の割引分を国が補助していて、旅行者の代わりに旅行業者が国から給付金を受取る仕組みになっています。
上記の点から、消費税法上は、旅行業者が販売する旅行商品の対価の額は変わらず、旅行代金の全額が消費税の課税対象になると考えられます。
具体例を挙げると、会社の出張で税込10,000円のGoToトラベル対象の旅行商品を購入する場合、出張者は6,500円を旅行業者に支払い、残りの3,500円はGoToトラベル事務局が旅行業者に支払うことになります。
そして、会社と出張者の間では、次の2通りの方法で経費精算をされるかと思います。
①実際に支払った6,500円を精算する方法
②旅行代金の10,000円を精算する方法
どちらの場合でも、会社が経費に計上する課税仕入れの金額は10,000円になります。
ただし、①の場合は国からの給付金3,500円を雑収入(消費税対象外取引)等で計上する必要があり、②の場合は給付金の処理は不要です。
消費税の話から逸れるので詳しい話は割愛しますが、上記②の場合に、会社が支払う10,000円と出張者が支払う6,500円の差額が給与になるのではないか?と疑問に思います。これについては、社内の出張旅費規定の範囲であれば、出張費用の精算として、給与にはならないと考えられます。
地域共通クーポンの取扱いについて
地域共通クーポンは、旅行者が地域共通クーポンの取扱店舗に支払う商品代金等の一部を国が負担するものです。
この場合の消費税の課税関係についても、旅行代金の充当と同様に、販売商品の対価の額は変わらず、その販売商品の対価の全額が消費税の課税対象になると考えられます。
現在は、ビジネス出張を目的とする宿泊等におけるGoToトラベル事業の利用が制限されていますが、制限前に利用していたケースも多いと思われますので、参考にしていただけたら幸いです。
今後のご利用の際には最新情報をご確認の上、感染症対策を行い上手に利用しましょう。
記.東京事務所1課