2020/02/10

相続により取得した株式の譲渡

相続により取得した株式を譲渡した場合には、下記の特例の取扱いがあります。

相続税が取得費に加算できる!

この特例により、相続により取得した株式を譲渡した場合、納付した相続税額の一部を取得費に加算することができます。上場株式、非上場株式ともに適用することができます。
(1)要件
① 相続、遺贈により取得した株式等であること。
② 相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3 年を経過する日までに譲渡していること。
③ 納付した相続税があること。
(2)計算方法
取得費に加算できる相続税額※ 1 =譲渡した相続人が納付した相続税額×譲渡した株式等の相続税評価額/譲渡した相続人が取得した財産の相続税の課税価格

※ 1
「譲渡収入-取得費および譲渡費用の合計額」を上限とします。

「みなし配当」課税の特例

相続税の納税資金捻出のために、相続した非上場株式をその発⾏会社に譲渡する場合があります。その場合、譲渡した個人には譲渡所得の他に『みなし配当』に対する課税がなされる場合があります。
つまり、株式の資産価値の上昇による利益部分を譲渡所得として考え、会社に留保された利益の分配部分を配当所得とみなして分離して課税をするわけです。
しかし、次の要件を満たす場合には、「みなし配当」ではなく、すべて譲渡所得とすることができます。

【要件】
① 相続・遺贈により非上場株式を取得し、相続税を課税されること。
② 相続開始の日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3 年を経過する日までの間に、相続税の計算の基礎となる非上場株式を発⾏会社に譲渡すること。