2020/01/29

上場株式の損失を事業承継に活かそう!

同族会社株式の売却益と通算して一石二鳥!

同族会社の経営者が上場株式の売買を⾏って思わぬ損失を被った場合、事業承継のための株式移転を進めながら譲渡所得の節税も図れる一石二鳥の方法があります。
上場株式の売却損を同族会社株式の売却益と通算してしまうという手法です。

<ポイント!>
この場合の前提条件は、自社の株式の時価が取得価額を上回り、株式を後継者に譲りたくても売却益に対する税負担がネックとなり、株式移転が進められない状況であることです。

<注意点!>
ただし、株価が高額となっているため購入資金が多額で、一般的に後継者はその資金の持ち合わせがない場合がほとんどです。

金銭の都合がつかない場合には、分割支払での契約でも構いません。
その場合、通常は利息を発生させることが一般的であり、譲渡者の受取った利息は毎年の雑所得となります。

また、無利息による貸付であっても契約が名実ともに金銭貸借であることを明らかに出来れば、貸付金元本相当額の贈与があったということにはなりませんが、利息相当額(経済的利益)の贈与があったものとされます。
ただし、受益額が少額である場合(相基通9-10)、課税上弊害がない場合(相基通9-10)は、この経済的利益を贈与税の課税対象としなくてもよいこととされています。

(1)株式の譲渡にあたって、株式譲渡契約書を作成し、その契約書に確定日付(公証人役場や法務局で証明される日付の消印)を付して保存しておくこと。

(2)金銭の支払いは、契約書どおりの日付と金額で通帳を通して客観的な証拠を残しておくこと。

以上の方法によれば、現金贈与があったなどと課税庁から指摘を受けることを回避できます。
どこかの国の総理⼤⾂も、現金贈与で高額の納税をしましたよね。気をつけましょう。