2019/12/16

地方税共通納税システムについて

地方税共通納税システムとは?

事業者にとって納税事務の負担は結構手間なものですよね。

納税と言っても、様々な種類の税金がありますが、大きく分けると国税と地方税に区分されます。
そして、国税に納付する方法は、いくつかの方法で支払うことが出来るようになっています。
具体的には、金融機関窓口での納付以外に、ダイレクト納付、電子納税、クレジットカードでの納付が可能です。
一方で、地方税(都道府県民税・市町村民税等)は金融機関窓口での納付がほとんどです。

あまり知られていませんが、実は、地方税も電子納税の制度はありました。
しかし以下の理由により、あまり利用されていませんでした。

・対応している自治体が限られている
・複数県や複数市にまたがって納税する場合には、そのそれぞれに電子納税手続きを1回1回行う必要がある

このため運用面において、電子納税によって納税しようとは思い至らない、というのが実情でした。

その問題を解消し、地方税の納税利便性を向上するために、全国の地方自治体が既に対応しているeLTAX(地方税ポータルサイトの呼称)を活用した納税システムが10月から導入されました。それが地方税共通納税システムです。

これにより、インターネットバンキング又はダイレクト納付(口座振替)によって全地方自治体へ一括での納税が可能となりました。

特別徴収の住民税も対応!

現行では、地方税のうち次の7税目が対応しています。

1 法人都道府県民税
2 法人事業税
3 地方法人特別税
4 法人市町村民税
5 事業所税
6 個人住民税(退職所得分)
7 個人住民税(特別徴収分)

法人住民税の納付は年に1回や2回程度のため、金融機関窓口での納付を負担に感じていらっしゃらなかったかもしれません。
しかし、事業者が従業員さんの給与から天引きしている特別徴収の個人住民税の納付については、毎月金融機関窓口で納付されている方が大半なのが現状です。
それが自宅や職場のパソコンで納付出来るようになると助かりますね!

この制度での納付は、専用納付書での納付と違い、インターネット上で納税が完了するため、紙での領収書はありません。なお、納付済みの確認メッセージや、納付履歴が画面上で確認できますので、それを印刷して保存しておかれることおススメします。

まだ稼働したばかりで現状は未対応の税目(固定資産税や自動車税等)も、将来的には納付できるように検討されているようです。

利用するための手続き

地方税共通納税システムを利用するには、eLTAXの利用者IDが必要です。
利用者IDの取得は、無料で利用できるeLTAX対応のソフトウェアである「PC desk」を使用して利用届出(新規)を提出することで可能です。

そのIDと暗証番号を使用してPC deskにログインすれば利用できます。
利用可能時間は、平日と、毎月最終土曜及び日曜の8:30~24:00となっています。

納付の現状の収納チャネル(手段)は次の3通りです。

1 情報リンク方式
  PC desk内からインターネットバンキングへ移動して納税する方法。
  国税の電子納税と同じ方法です。

2 ダイレクト方式
  事前に登録した金融機関口座を指定して、直接納付する方法。
  インターネットバンキングへログインしたり暗証番号等を必要としない。
  国税のダイレクト納付と同じ方法です。

3 オンライン方式
  金融機関ATMやインターネットバンキングに直接ペイジーのキー情報を入力して納付する方法。

上記のうち、2のダイレクト方式を利用したい場合には、事前に登録が必要です。
実際に利用を開始するまでには、登録から審査完了までに約1か月の期間がかかるようです。

こちらも将来的には、さらに利便性を高めるため、クレジット収納やコンビニ収納の導入などが検討されているようです。

昨今は、キャッシュレス決済なども普及し始めており、様々な支払い手段の選択が可能となっています。納税方法もそれを追随するかたちで改良されてきています。
時は金なり。
金融機関へ行っていた時間を有効に使い、さらなる売上アップに繋げましょう!