2019/10/18

消費税率引き上げに伴う4つの住宅取得支援策

消費税増税により拡大された住宅ローン減税

住宅ローン減税は、住宅の新築・取得、リフォームなどのために住宅ローンを借りた人について、年末のローン残高の1%を所得税や個人住民税から控除する制度です。
現行の制度では、控除期間は10年間、控除の対象となる借入金の上限は、2021年12月までの入居であれば従来の2000万円(3000万円※)から4000万円(5000万円※)に引き上げられています。

※は長期優良住宅、低炭素住宅に該当する場合

消費税率10%が適用される住宅の取得等をして、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に入居した場合は、控除期間がさらに3年間延長され、
合計で13年間、住宅ローン控除を受けられます。
この場合、10年目までは従来どおり年末のローン残高の1%が控除され、11~13年目は「ローン残高の1%」または「建物購入価格×2%÷3年」のいずれか小さい額が各年控除されます。
延長された3年間で、最大、建物購入価格の消費税2%分が減税される計算になります。

例えば、消費税増税後に建物が3000万円の住宅を購入し、11年目の住宅ローン残高が1000万円だった場合、建物購入価格の2%分(60万円)を3等分すると
20万円ですが住宅ローン残高の1%は10万円なので、少ない方の10万円が所得税や個人住民税から減税されることになります。

この減税延長は、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に入居した場合に限られる時限措置であることに留意してください。

利用できる主な要件

・自ら居住する住宅であること
・床面積が50平方メートル以上であること
・中古住宅の場合、築20年(マンションなどの場合は築25年)以下であるか、耐震性能を備えていること
・借入期間や合計所得金額についての要件を満たしていること
(借入金の返済期間が10年以上、合計所得金額が3000万円以下)
などがありますので留意してください。

住宅ローン減税による控除を受けるためには、確定申告が必要です。
確定申告の手続きについて、詳しくは国税庁サイトをご覧ください。

消費税増税により拡大されたすまい給付金

すまい給付金は、自分が住む住宅を取得した人に対して給付金が支払われる制度です。
住宅ローンを利用しない方や、所得税の額が少ないなど住宅ローン減税のメリットが少ない方に対する支援です。
すまい給付金は、取得した住宅の持分をもつ人それぞれが受け取ることができます。
例えば、夫と妻がそれぞれ持分割合を決めて住宅の所有者となっている場合は、夫も妻も給付金を受け取ることができます。

給付額は、「給付基礎額」に「持分割合」をかけた額になります。
給付基礎額は、都道府県民税の所得割額によって決定され、所得割額が少ない人ほど給付額は高く設定されています。

消費税率10%引き上げ後、対象となる収入額(目安)が775万円以下まで引き上げられます。また、給付額も最大30万円から50万円に引き上げられます。

消費税率10%が適用される一定の新築・中古住宅で、2021年12月31日までに引渡しを受け、入居した方が対象となります。

給付金を受け取るには、すまい給付金事務局に申請が必要です。
申請期限は住宅の引渡しから1年3か月以内です。

申請書類や申請方法などの詳しい情報は、国土交通省のすまい給付金サイトをご覧ください。

消費税増税により新設された次世代住宅ポイント制度

「住宅ローン減税」、「すまい給付金」の制度の拡充に加え、消費税率10%引き上げ後の住宅購入を支援する新たな制度として、「次世代住宅ポイント制度」が設けられました。

これは、消費税率10%が適用される新築やリフォームのうち、省エネ性、耐震性、バリアフリー性能など一定の性能をもつ住宅や、家事負担軽減に役立つ設備を設置した新築やリフォームに対して、新築は最大35万円相当、リフォームは最大30万円相当のポイントを付与するものです。

2020年3月31日までに契約した方等が対象で、このポイントは、省エネ・環境配慮に優れたものや防災・健康・子育てに関連する商品と交換できる予定です。

ポイントを商品と交換するには原則、工事完了後に事務局へ申請書類を提出し、ポイント発行申請を行います。

申請開始及び申請期限、商品交換申込期限など次世代住宅ポイント制度について、詳しくは国土交通省の次世代住宅ポイント事務局にお問い合わせください。

贈与税非課税措置の拡大

父母や祖父母などの直系尊属から年間110万円を超える贈与を受ける場合、一般的に贈与税がかかりますが、住宅の新築・取得、リフォームなどを目的とした贈与の場合は、「贈与税非課税措置」を利用して税金の支払いを減らすことができます。
住宅取得などのために父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合を対象に、2021年12月31日まで、最大3000万円の贈与が非課税になります。

契約年ごとの非課税枠

2019年4月から2020年3月に契約し、消費税率10%で住宅を取得等した方は2500万円(3000万円※1)
その他の方(※2)は700万円(1200万円※1)

2020年4月から2021年3月に契約し、消費税率10%で住宅を取得等した方は1000万円(1500万円※1)
その他の方(※2)は500万円(1000万円※1)

2021年4月から2021年12月に契約し、消費税率10%で住宅を取得等した方は700万円(1200万円※1)
その他の方(※2)は300万円(800万円※1)

※1は一定の耐震性能、省エネ性能又はバリアフリー性能を満たす質の高い住宅」の場合

※2は消費税率8%で住宅を取得等した方、個人間売買により中古住宅を取得した方など

贈与税非課税措置が適用される主な要件

・自らが居住するための住宅であること
・受贈者が20歳以上で、贈与年の合計所得金額が2000万円以下であること
・贈与者が父母・祖父母などの直系尊属であること
・贈与年の翌年3月15日までに住宅の新築、取得または増改築をし、入居すること
・床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であること   
などがありますので留意してください

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の適用を受けるためには、確定申告が必要です。
確定申告の手続きについて、詳しくは国税庁サイトをご覧ください。