2019/03/01

不動産管理料の設定のポイント

前記の「不動産管理会社の活用による節税」で不動産管理会社へ所得を分散する手法をご説明いたしましたが、節税目的が高じて、不動産管理会社へ支払う手数料等を過剰に高く設定し、税務署から高額に支払った部分の管理料を認めないと訴訟となったケースもあります。

では高いと判断される管理料は具体的にどれぐらいなのかと言いますと、明確な判断基準はありませんが、税務署の考え方は委託する管理業務の内容、事業規模や収益の状況等個々の実態に応じて判断すると言うことです。

管理料の金額の設定については国税不服審判所の審判や裁判にまで⾄っているケースも多いので気をつけなければなりません。

<ポイント!>
裁判所や国税不服審判所においては、一定の地域内・類似規模等の基準により比準同業者として数例をピックアップし、それらを会社に支払っている管理料の平均を持って、適正管理料を算定しているようです。判決や裁決によると、管理徴収方式の場合、適正管理料の割合は収入の4 ~7% 程度とされ、転借方式の場合、適正な収入の移転割合は収入の5 ~12%程度の場合が多いようです。
一般的に許容される範囲としては、適正管理料の割合は8% 程度、転借方式の場合は15%程度までに設定しておくことが無難なようです。

あくまでこの数値は参考値です。管理料等を認めさせるためには、どういう業務をするかを明確に契約書に記載し、かつ次のような業務を管理会社が実行し記録に残すことが重要です。
① 入居者の募集、各室のカギの管理
② 賃貸料の交渉、集金 及び 管理
③ 賃借人からの苦情 、要望、問合せ等の受付及び対応
④ 定期的点検、補修 若しくは 取替え
など…