2018/12/26

医療費控除

医療費控除の対象になるもの、ならないもの

医療費控除とは

多額の医療費がかかった年に、かかった医療費の一部を税金から控除したり、還付を受けたりすることができる制度です。
医療費控除の対象となるのは、年間に支払った医療費が10 万円を超える人になります。
しかし、所得が200 万円に満たない人の場合は、10 万円を超えていなくても所得金額の5%を超えていれば対象になります(※控除できる額は200 万円が限度になります)。

医療費控除の対象

医療費控除の重要なポイントは、その支払った医療費が控除の対象となるか、ならないかの判断をすることにあります。

① その医療費の支払が医療費控除の対象となるかどうかは、『治療のためか?』『医師の指⽰があったか?』で判定します。
つまり、予防用のものや美容⽬的のもの、サプリメント類は対象になりませんが、薬局で買った⾵邪薬や胃腸薬などは対象になります。
※インフルエンザ等の予防接種、人間ドッグ等の健康診断は対象になりません(その検診で病気が発見された場合は対象になります)。

② 本人だけでなく、同一生計の奥さんや親族(6 親等以内の血族と 3 親等以内の姻族)が支払った医療費も対象になります。

③ 医療費控除の対象になるのは、その年の 1 月~ 12 月に実際に支払った医療費です。
例えば、去年の 12 月に手術・入院しても、その医療費を支払ったのが今年の 1 月であれば、今年の分の申告となります。

④ 通院にかかった交通費も対象になります。
電車やバスは領収書がないので、病院に行った事実と交通費をメモしておけば認められます。ただし、マイカーで通院した場合のガソリン代や駐車場代、タクシー代は対象になりません(急病によるタクシーの利用や、病院の近隣に公共交通機関がないためタクシーを利用せざるを得ない場合などは対象になります)。

⑤ 視力回復レーザー手術(レーシック)に係る費用は医療費控除の対象になります。

⑥ 医療費控除の対象となる介護費用
介護保険制度の下で、介護サービス事業者から要介護者及び要支援者が提供を受ける居宅サービスや施設サービスの費用(理美容代などの日常生活費や特別なサービス費用は医療費控除の対象外)、ひとり暮らしの⽼人が受ける指定⽼人訪問看護の利用料や病気やけがのために自宅で継続して療養している人が受ける指定訪問看護の利用料は医療費控除の対象になります。
ただし、介護⽼人保健施設や介護療養型医療施設の介護サービス費と⾷費・居住費の自⼰負担額は全額が控除の対象になりますが、介護⽼人福祉施設(特別養護⽼人ホーム)に係る介護サービス費、⾷費・居住費は支払った額の 2 分の 1 しか控除の対象になりません。また、領収書に医療費控除の対象となる金額が明⽰され、事業者の押印があることが要件となります。

<アドバイス!>
(1)医療費控除を受けるためには、医療費を支出したことを証明する領収書(レシート)を添付する必要がありますので、確定申告時期までしっかりと保管しておきましょう。
(2)健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」は、領収書として扱われないので注意が必要です。

過去に医療費控除をするのを忘れていた場合

これまでに医療費控除をするのを忘れていた場合には、過去5 年までさかのぼって還付請求することができます。ただし、さかのぼれるのは今まで確定申告をしていない年に限り、確定申告をしている年は、申告期限から1 年以内に更正の請求を出さなければいけません。
例えば、平成20 年分の確定申告であれば、平成21 年3 月15 日が申告期限なので、その1年以内ということで、平成22 年3 月15 日が更正の請求の期限になります。

生命保険の入院給付金を受け取った場合

生命保険の特約で入院や通院の給付金を受け取っていれば、医療費を補填する保険金等に該当し、実際に支払った医療費から差し引かなければいけません。
ただし、保険金などで補填される金額は、その給付の⽬的となった医療費の金額を限度として差し引くので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費から差し引く必要はありません。