2018/11/11

譲渡所得

譲渡所得とは

譲渡所得とは簡単にいえば、資産(棚卸資産・山林を除く)の売却による所得 のことです。そして譲渡所得の金額は、譲渡収入から譲渡資産の取得費および譲渡費用を控除して計算します。

この譲渡所得のうち譲渡のあった年の 1 月 1 日における所有期間が 5 年を超えるものを譲渡した場合の所得を長期譲渡所得といい、所有期間が 5 年以下ものを譲渡した場合の所得を短期譲渡所得といいます。

譲渡した資産に応じた課税の方法

譲渡所得

総合課税の譲渡所得に該当するものとしては、ゴルフ会員権、1 組 30 万円超の書画・骨董、貴金属、競走馬、レジャー使用のマイカーなどが該当します。個人事業で使用する動産も譲渡所得の対象となります。また、生活に通常必要な動産は非課税とされています。よってバザーやオークションで生活用動産を販売したものは非課税となります。

譲渡所得のうち不動産(棚卸資産除く)、株式の譲渡にかかる所得については、他の所得と切り離して課税される申告分離課税という特別な計算方法がとられ、税率も、それぞれ個別に定められています。

※所有期間が10 年を超えるマイホームは3,000 万円の特別控除後、譲渡益6,000 万円までは税率10%(+4%)とする特例があります。

譲渡所得の計算

譲渡所得は基本的に次の算式で算定します。

譲渡所得金額=(収入金額)-(取得費+譲渡経費)-(特別控除)

特別控除について

① 総合課税の場合
特別控除額は原則 50 万円です。ただし、譲渡益が 50 万円未満の時はその金額が控除額となります。短期譲渡所得と長期譲渡所得の両方がある場合には、まず短期譲渡所得から控除し、引ききれないときは長期譲渡所得から控除します。
なお、課税の対象となる譲渡所得の金額は、短期譲渡所得の全額と長期譲渡所得金額の 2 分の 1 の合計額です。

② 分離課税の場合
分離課税の場合の特別控除には次のようなものがあります(それぞれ要件あり)。
イ.収用交換等のために土地等を譲渡した場合・・・・・・・・5,000 万円
ロ.特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合・・2,000 万円
ハ.特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合・・・1,500 万円
ニ.農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合・・・・ 800 万円
ホ.居住用財産を譲渡した場合・・・・・・・・・・・・・・・3,000 万円

譲渡所得(総合課税)の損益通算

総合所得の譲渡について赤字が生じた場合は、他の所得と損益通算が可能です。ゴルフ会員権の譲渡損を給与や事業所得と損益通算して節税って話はご存知の方も多いかとおもいます。

個人の事業用車両を譲渡した場合なども、事業所得ではなく譲渡所得になります。そこで損失が生じた場合、損益通算の対象になりますが、もっぱらレジャー等に使用する車両や、生活に通常必要でない次の資産の譲渡損失は通算できないこととされています。

(1)競走馬(事業用を除く)、その他射こう行為の手段となる動産

(2)別荘など、趣味、娯楽、保養の⽬的で所有する不動産
(3)生活動産で通常必要のないもの、1 個、1 組30 万円以上の書画、骨董、宝石、貴金属等

<ポイント!>
なお一般の不動産の譲渡は、申告分離課税であり損益通算はできませんが、「マイホームの買換えによる譲渡損失」、「特定の居住用財産の譲渡損失」などは、損益通算および損失の繰越が可能とされています。