国民年金保険料の育児免除制度
国民年金保険料の育児免除制度とは
国民年金保険料の育児免除制度とは1歳になるまでの子どもを養育している国民年金第1号被保険者について一定期間の国民年金保険料を免除する制度です。
国民年金の被保険者は、大きく次の3種類に分けられます。
・第1号被保険者
自営業者、学生、無職の方など
・第2号被保険者
会社員や公務員など、厚生年金に加入している方
・第3号被保険者
第2号被保険者に扶養されている配偶者
今回の制度の対象となるのは、このうち第1号被保険者です。
第2号被保険者については従来から産前産後休業や育児休業中の社会保険料免除制度があり第3号被保険者は、もともと本人が国民年金保険料を直接納付する仕組みではないため、今回の対象とはなりません。
育児免除制度の対象となる方
対象となるのは、令和8年10月1日以後に1歳になるまでの子どもを養育している国民年金第1号被保険者の実父母又は養父母です。
制度の適用を受けるためには子どもとの親子関係が継続していることに加えて原則として子どもと同じ住所に住んでいることが必要となります。
また、この制度には所得制限がありません。
従来からある国民年金保険料の申請免除制度では原則として本人、配偶者及び世帯主の所得が一定額以下であることなどが要件となります。
これに対して育児免除制度は育児期間中の経済的な負担を軽減することを目的としているため本人や配偶者などの所得にかかわらず適用を受けることができます。
さらに、父親と母親の双方が第1号被保険者でありそれぞれが対象となる子どもを養育する要件を満たしている場合には夫婦の双方が免除の対象となります。
国民年金保険料が免除される期間
免除される期間は、実母の場合と実父又は養父母の場合で取扱いが異なります。
①実母の場合
国民年金第1号被保険者が出産した場合には現在も「産前産後期間の免除制度」が設けられています。
産前産後免除制度では、原則として出産予定日又は出産日が属する月の前月から4か月間多胎妊娠の場合には、出産予定日又は出産日が属する月の3か月前から6か月間の国民年金保険料が免除されます。
新しい育児免除制度ではこの産前産後免除期間に引き続く9か月間が対象となり産前産後免除期間と合わせると原則として最大13か月間が免除されます。
②実父又は養父母の場合
実父又は養父母については子どもを養育することとなった日の属する月から子どもが1歳になる誕生日の前月までが免除期間となります。
出生した月から継続して要件を満たしている場合には最大12か月間が免除の対象となります。
ただし、制度が適用されるのは令和8年10月1日以後の期間です。
制度開始前に生まれた子どもであっても令和8年10月1日時点で1歳未満でありその他の要件を満たしている場合には令和8年10月以後の一定期間が対象となる可能性があります。
将来受け取る年金額への影響
国民年金保険料の免除と聞くと将来受け取る年金額が少なくなるのではないかと心配される方もいるかもしれません。
一般的な所得要件による国民年金保険料の全額免除では免除された期間について、老齢基礎年金額を計算する際に保険料を全額納付した場合の2分の1として反映されます。
一方、今回の育児免除制度の適用を受けた期間については国民年金保険料を納付した期間として取り扱われます。
そのため、制度を利用したことによって将来受け取る老齢基礎年金の金額が減少することはありません。
また、すでに保険料を納付している期間が育児免除期間として認められた場合には納付済みの保険料は、他の期間への充当又は還付の対象となります。
なお、通常の国民年金保険料に上乗せして納付する月額400円の付加保険料については育児免除期間中も引き続き納付することができます。
自動的に免除されるわけではありません
育児免除制度の適用を受けるためには対象となる方自身が申請を行う必要があります。
対象となる子どもを養育しているだけで自動的に国民年金保険料が免除されるわけではないため申請を忘れないように注意が必要です。
夫婦の双方が第1号被保険者でそれぞれが制度の対象となる場合には夫婦それぞれについて手続きが必要になると考えられます。
また、育児免除期間中に第1号被保険者でなくなった場合や子どもと住所が別になった場合など制度の要件を満たさなくなったときにはその後の取扱いについて確認が必要です。
具体的な申請方法、必要書類及び申請時期については日本年金機構から公表される案内を確認するとともにお住まいの市区町村の国民年金担当窓口や最寄りの年金事務所に確認する必要があります。
まとめ
令和8年10月から始まる国民年金保険料の育児免除制度はこれまで育児休業中の社会保険料免除制度を利用できなかった自営業者やフリーランスなどの負担軽減を目的とした制度です。
国民年金第1号被保険者である実父母又は養父母が1歳になるまでの子どもを養育している場合には所得にかかわらず、一定期間の国民年金保険料が免除されます。
さらに、免除された期間は保険料を納付した期間として老齢基礎年金額に反映されるため制度を利用したことによって将来の年金額が減少することもありません。
一方で、制度の適用を受けるためには申請が必要となり自動的に免除されるものではありません。
制度開始前に子どもが生まれている場合でも令和8年10月時点で1歳未満であれば対象となる可能性があります。
該当する可能性のある方はご自身の国民年金の加入区分や子どもの年齢を確認し日本年金機構から公表される申請方法などの最新情報を確認しておくとよいでしょう。
記.名古屋事務所2課
