2025/05/14

扶養控除等の改正

扶養親族等の所得要件の改正

基礎控除の改正が行われたことにより、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が、以下のように改正されました。

(イ)扶養親族、同一生計配偶者、ひとり親の生計を一にする子
合計所得金額 48万円 ⇒ 58万円
(給与収入額 103万円以下 ⇒ 123万円以下)

(ロ)配偶者特別控除の対象となる配偶者
合計所得金額 48万円超133万円以下⇒ 58万円超133万円以下
(給与収入額 103万円超201万5,999円以下 ⇒ 123万円超201万5,999円以下)

基礎控除の改正で、合計所得金額が132万円以下の人の基礎控除額は95万円となりますが、これは、所得税法の基礎控除額58万円に租税特別措置法による加算額37万円の合計額のため、扶養親族の所得要件は、加算額を含めない58万円となっている点、注意が必要です。

特定親族特別控除の創設

特定親族(生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族)で、合計所得金額が123万円以下で控除対象扶養親族に該当しない人を有する場合には、配偶者特別控除と同じように、その特定親族の合計所得金額に応じて、以下の金額を控除する「特定親族特別控除」が創設されました。

合計所得金額     特定親族特別控除額
58万円超85万円以下     63万円
~90万円以下     61万円
~95万円以下     51万円
~100万円以下    41万円
~105万円以下    31万円
~110万円以下    21万円
~115万円以下    11万円
~120万円以下     6万円
~123万円以下     3万円

給与収入金額では、123万円超188万円以下であれば、特定親族特別控除に該当することになります。
また、合計所得金額が58万円以下の場合は、特定親族特別控除の対象とならず、扶養控除(63万円)の対象となります。
なお、年末調整で「特定親族特別控除」の適用を受ける場合には、給与の支払者に「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出する必要があります。

住民税等の改正

令和8年度の住民税においても、扶養親族の所得要件と特定親族特別控除については、同様の改正が行われるようです。
前回にもお伝えしておりますが、住民税の基礎控除には改正がなく社会保険も変更はされていないので、住民税の非課税の目安である給与収入が100万円から110万円に変わった以外、社会保険料の扶養の範囲である年収130万円には変更がありません。

扶養の所得要件が変わったので、今まで103万円未満の給与に抑えて働いていた方が、今年から123万円の目安とされる方は増えるような気がします。

記.東京事務所1課