2025/04/23

関税について

関税とは

関税とは、国外から商品を輸入する際に発生する税金であり、輸入品に対して課せられます。
これは、国内製品と競合する輸入製品に対して課税することにより、国内産業を保護し、税収を得ることを目的としています。

関税の歴史について少し触れていきます。
古代の都市国家で徴収された通行料に起源を持ち、中世には国内の異なる地域間で課税される「内国関税」や国境で課税される「国境関税」として発展しました。特に、16世紀から18世紀の絶対王制の時代には、国家が貿易に深く関与し、重商主義の政策が採用され、輸出と輸入の貿易差額が富の源泉とされました。
現在では、関税は国家間の取引において重要な役割を果たし、国の収入の一部となっています。

関税の種類

関税の種類は、大きく分けて『保護関税』と『財政関税』の2種類です。『保護関税』は産業保護を目的としており、『財政関税』は税収入を目的としています。

『保護関税』とは、国内産業の保護を目的とした関税のことをいいます。
輸入品の市場価格を引き上げるために高率の関税をかけ、国内市場における国産商品を保護しようとするものです。
『財政関税』とは、『歳入関税』『収入関税』ともいわれ、財政収入を主な目的とした関税です。

日本の関税の仕組み

日本では、輸入品の使用目的が『商用』か『個人用』かにおいても関税が異なります。個人用(個人輸入)では優遇措置がありますが、商用(商用輸入)にはありません。
まず『商用輸入』とは、日本に配送後、第三者に販売を目的とした輸入のことです。
以下の計算式で計算できます。
(卸売価格+送料+保険+その他経費)×関税率=課税額
一方『個人輸入』とは、個人での使用を目的とした輸入のことです。計算式が商用輸入とは異なります。
(海外の小売り価格×60%)×関税率=課税額
例えば、5万円の商品に、送料・保険・その他経費が2000円、関税率が10%の場合、

商用:(5万円+2000円)×10%=7000円
個人用:(5万円×60%)×10%=3000円
となります。価格の設定が少額のため大きな差は感じないかもしれませんが、仕入金額が何十万、何百万と上がれば、かなり大きな差になるのです。

まとめ

今回はあまりなじみのない税金についての説明になりました。
関税は、国際貿易における重要な要素であり、経済の安定や国内産業の育成に寄与しています。税金として機能するだけでなく、貿易政策の一環として、国内外の経済バランスを保つ役割も果たしています。
関税に関する知識を深めることで、経済ニュースや法律、ビジネス活動の理解がより一層進むでしょう。
最近のニュースを賑わしている関税について簡単に解説いたしました。

記.名古屋事務所2課