2018/01/24

節税のまとめ

会社の究極の目標とは

前回、節税の種類の 4 パターンをみてきました。

節税策を読み進めていただく場合は、「お金が出て行く節税」なのか、「お金が出て行かない節税」なのか、「課税の繰延」なのか、「永久免税」なのかをきちんと整理付けていただきたいと思います。

お金ばかり出ていく偏った節税をしていると、会社にお金が残らず節税による資金流出が原因でいざというときに運転資金が⾜らない!という本末転倒もあり得ます。
これではいつまで経っても会社は成長しません。

会社の究極の目標は、語弊があるかもしれませんが、「通帳の預金残高を増やし続けること」だと思います。

もちろん理念、個別目標となれば「社会貢献のため」「従業員の幸せのため」「家族のため」など様々でしょうが、どの目標もお金がないことには達成できませんよね?
だから、節税のためだけに、会社のお金を無駄使いするようなことはしないで下さい!
ここで主張したいのは「計画的に、上手に節税する」ということです。そのためには下記の「節税の基本の4 項目」はしっかり押さえて理解しておいて下さい。

(1)経費として計上できるものをすべてきっちり計上する。
(2)有利な選択・届出をきっちり行う。
(青色届け等の基本的な税務手続きを全て行っている)。
(3)所得分散をきっちり行う(社長の給料は適正額を取っている)。
(4)政策で認められている税制優遇制度をきっちり活⽤する。

上手に節税できるかどうかは、こうしたことの経営者の⽇ごろの⼼がけにかかっています。

普段の⼼がけもなく「さあ決算を迎えて節税だ〜!」と意気込んだところで、付け焼刃でできる節税策はほとんどありません。あったとしてもその効果は期待できませんね。

税理士に丸投げだ、という⽅も決して万全ではありません。「数字は苦手なんで…」という経営者が非常に多いですが、経営者自身が数字で会社の経営状況を理解しておくことが、会社の成長には⽋かせません。

何も簿記・会計・税法を勉強してください、と言っているわけではありません。もちろんそれらは理解しているにこしたことはありませんが、経営者にそんな時間的余裕もないでしょう。あったとしてもその必要もありません。

ただ、自社の経営成績と財務状況は、必ず経営者自身がタイムリーに把握しておく必要があります。経営者がどんぶり勘定では、仮に税理士に丸投げしていたとしても、上手な節税はできません。また、今後の会社の成長も頭打ちになるどころか、自社の財務状況を把握してなかったばっかりに、たった⼀つの判断ミスにより、倒産や廃業に追い込まれるリスクも生じます!

「数字の勉強」と難しく構えずに、「自社の通信簿をつける」くらいの感覚だと、とっつきやすいかもしれません。疑問に思うことは、とことん顧問税理士に聞き、絶対に自社の状況を数字で把握できるようになっていただきたいと思います。

納税ができる資金⼒・余力があってこそ会社は成長する!

また、「税金を払うのは死んでもイヤだ」という考えをお持ちの方がいらっしゃいますが、その考えは改めていただきたい、と思います。

税金は、会社の成長には避けることのできない必要経費です。

今まで多数の経営者を見てきましたが、最終的に伸びていく会社というのは、決して過度な節税はせずに、税金を払い続けながら会社にお金を残していっています。

冒頭でも申し上げましたが、節税に「ウルトラC」はないのです。あるとすればそれは「脱税」です。言い過ぎかもしれませんが、「過度な節税」をし続ける方は、そのうち「グレーゾーン」を自身の都合の良い様に解釈し、次は「租税回避行為」に手をつけ、それに味をしめて最終的には「脱税」に手を染めてしまう危険性も潜んでいます…(本当に極端な例です、念のため)。

今まで税務署からの指摘もなく、運良く多額のお金が残っていたとしても、次の税務調査で全てが否認され(バレて)て、結果、会社の全財産を追徴税と罰金で失うというのがオチなんです。

今まで事業にかかる税金(会社の法人税、個人事業の所得税、消費税も少々)を中⼼として節税論を述べてきましたが、ご承知のとおり税金には上記の種類以外にも、相続税や贈与税、固定資産税などたくさんの種類があります。

ここまで触れてきた事業の税金は、事業のもうけ(利益≒所得)に対してかかるものでしたが、相続税や贈与税なんかは「財産が動いたとき」にその財産価値にたいして税金がかかります。
また固定資産税や自動⾞税など、「保有しているだけで」かかってくるものもあります。

これらのように、財産に対してかかってくる税金をひっくるめて『資産税』と言ったりもします。

もちろん、節税方法は法人税と資産税では、対策も方法も⼀見ガラっと変わりますが、節税の根本は全く同じです。

計画的に、上手に節税する」ことが大事なんです!

“ 計画” って内容に関わらず「宝の地図」だと思うんです。⼦供の頃、作りませんでした?

税理士やコンサルタントなど専門家と付き合うことはいいことです。ただ全て人任せにせず、ぜひ社長の目標や夢を自分自身の「言葉」で書き入れ作成していただきたいのです。よく「意識が行動をつくり、行動が習慣をつくり、習慣が人格をつくり、人格が運命をかえる」といいますよね。

きっと意識が変わり、行動が変わり、新しい出会いがあり、道が開けていくと思います。

それでは、このHPでいっしょに「上手な節税方法」を考えましょう!

「会社を成長させ、税金は必要最低限におさえて、かつ銀行には良い決算書を見せたい!」

そんな理想を、ぜひ実現させましょう!!