2026/01/21

インボイス制度に係る経過措置の見直し

小規模個人事業者に係る税額控除に関する経過措置

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を行ったことにより課税事業者となった場合には、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間については、納付税額を課税標準額に対する消費税額の2割とすることができます。(以下「2割特例」といいます。)

今回の改正により、令和9年及び令和10年について下記の経過措置が加えられます。

個人事業者である適格請求書発行事業者の令和9年及び令和10年に含まれる各課税期間(免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと又は課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる課税期間に限る。)については、その課税期間における課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、その課税標準額に対する消費税額に7割を乗じた額とすることにより、納付税額をその課税標準額に対する消費税額の3割とすることができることとする。(以下「3割特例」といいます。)

2割特例は法人も対象に含まれていましたが、3割特例は、個人事業者のみが対象となっている点にご注意ください。

簡易課税制度の選択時期

簡易課税制度の選択は、原則としてその適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに届出を提出する必要がありますが、2割特例の適用を受けた適格請求書発行事業者が、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、消費税簡易課税制度選択届出書を提出したときは、その提出した日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができました。

こちらについても令和8年度の改正により下記の経過措置が加えられます。

③ 3割特例の適用を受けた適格請求書発行事業者が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに、その翌課税期間について簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を納税地を所轄する税務署長に提出したときは、その翌課税期間から簡易課税制度の適用を認める。
(注)2割特例の適用を受けた適格請求書発行事業者についても上記と同様の措置を講ずることとし、令和8年10月1日以後に終了する課税期間から本措置を適用できることとする。

経過措置により届出の提出期限が今までは「2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中」でしたが、今回の改正により、令和8年10月1日以後に終了する課税期間は「2割特例又は3割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限まで」となっておりますので、例えば、令和8年に2割特例の適用を受け、翌年(令和9年)に簡易課税制度の適用を受ける場合には、令和9年12月31日までではなく、令和10年3月15日までに届出をすればよいことになります。

免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

インボイス制度の開始後は、免税事業者等から行った課税仕入れは、原則として仕入税額控除の適用を受けることができませんが、下記期間については、仕入れ税額相当額の一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。

令和5年10月1日から令和8年9月30日まで・・・80%
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで・・・50%
令和11年10月1日以後・・・控除不可

今回の改正により、令和8年10月1日以後については、

令和8年10月1日から令和10年9月30日まで・・・70%
令和10年10月1日から令和12年9月30日まで・・・50%
令和12年10月1日から令和13年9月30日まで・・・30%
令和13年10月1日以後・・・控除不可

となりました。

また、一の免税事業者等からの課税仕入れの額の合計額がその年又はその事業年度で1億円(現行:10億円)を超える場合には、その超えた部分の課税仕入れについて、本経過措置の適用を認めないこととされました。
(注)上記の改正は、令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。

記.東京事務所1課