ゴルフ場利用税
ゴルフ場利用税とは
ゴルフ場利用税とは、日本の地方税法に基づき、ゴルフ場の利用者に対して、そのゴルフ場がある都道府県が課する地方税です。
主なポイントを下記にまとめさせて頂きます。
①納税義務者
ゴルフ場の利用者です。
②課税主体
ゴルフ場が所在する都道府県になります。
③徴収の仕組み
実際には、ゴルフ場の経営者(特別徴収義務者)が利用料金と一緒に利用者から税金を徴収し、まとめて都道府県に納めます。
④税額の決め方
1人1日につき定額で、ゴルフ場のホール数や利用料金などに応じて定められた等級(または区分)によって異なります(おおよそ400円から1,200円程度)。
ゴルフ場利用税が非課税となる主なケース
特定の利用者(下記の方)は、ゴルフ場利用税が非課税となる場合があります。
・18歳未満の方の利用
・70歳以上の方の利用
・障がい者の方の利用
・学校の教育活動として行う利用
・国民スポーツ大会などの競技として行う利用
(地方税法第75条の2、3及び地方税法附則第12条の2)
さらに自治体によっては、
・65歳以上70歳未満の方の利用
・早朝・薄暮プレー の方の利用
などに軽減措置(税率を1/2)を設けています。(※東京都の場合)
各自治体のホームページのゴルフ場利用税の手引きで確認が可能です。
なお、打ちっぱなしなどのゴルフ練習場の利用には、ゴルフ場利用税はかかりません。
ゴルフ場利用税の使い道
ゴルフ場利用税は総額で年間約500億円の税収があり、その7割がゴルフ場が所在する市町村に交付されています。
この財源は、ゴルフ場周辺の道路整備やインフラ、防災対策など、地方の行政サービスを支えるための貴重な財源となっています。
ゴルフ場利用税の「不要論(廃止論)」
ゴルフ場利用税は、地方自治体にとって貴重な財源である一方で、ゴルフ業界やゴルファーからはその廃止や非課税枠の拡大を求める声が強く、長年にわたり不要論が論議されています。
その主な根拠としては、以下の点が挙げられます。
1.課税の根拠と「二重課税」の問題
不公平な「スポーツ課税」
・世界的に異例のスポーツへの課税
ゴルフ場利用税は「世界で例をみないスポーツに対する課税」であり、他のスポーツ(野球、テニスなど)の施設利用には課税されていないため、ゴルフだけが不公平に扱われているという主張です。
・「贅沢品」から「スポーツへ」
1989年の消費税導入以前は「娯楽施設利用税」として、ゴルフはパチンコや麻雀と同じ「娯楽・贅沢品」として扱われていました。しかし、消費税導入時に多くの物品税や娯楽施設利用税が廃止される中、ゴルフ場でのプレーのみが「ゴルフ場利用税」として名称を変えて存続しました。
消費税との二重課税
・ゴルフ場の利用料には、ゴルフ場利用税が課税された上で、さらに消費税も課税されるため、実質的に二重課税になっているという問題が指摘されています。
2.ゴルフ振興と地域経済への影響
競技人口減少の抑制
・利用税の廃止により、ゴルファーのプレー料金の負担が軽減され、ゴルフを始める若年層やライトユーザーの利用者が増加し、ひいてはゴルフ人口の減少に歯止めがかかると期待されています。
地域経済の活性化
・ゴルファーの増加は、ゴルフ場経営の活性化だけではなく、ゴルフ場周辺の宿泊、飲食、観光など地域経済全体に多大なメリットをもたらし、地方創生につながるという主張です。
ルフ場利用税の「不要論(廃止論)」に対する反論
ゴルフ場利用税の最大の障壁になっているのが、税収の代替財源の問題です。先述のとおりゴルフ場利用税は、地方自治体のゴルフ場周辺の道路整備やインフラ、防災対策など、地方の行政サービスを支えるための貴重な財源となっています。
また、ゴルフ場利用税の廃止に強く反対する総務省は、「地方財源の確保」の観点から、廃止するのであれば代替財源を用意すべきという指針を示しており、この代替財源の確保が最大の政治的・財政的な課題となっています。
ゴルフ場利用税についての近年の動向
ゴルフ業界団体は、税の全廃が難しい現状から、近年は非課税対象の拡大
(例:若年層の非課税年齢枠の拡充、全国規模のアマチュア競技会への適用など)を要望し、段階的な税負担の軽減を目指す方向に譲歩しています。
ゴルフ場利用税の会計処理
最後にゴルフ場利用税の会計処理についてまとめさせて頂きます。
1.ゴルフ場運営者(特別徴収義務者)の会計処理
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の利用者が負担する税金であり、ゴルフ場運営者の会計処理は「預り金」として処理するのが基本です。
・利用者からゴルフ場利用税を徴収したとき
借方 現金・預金 ××× / 貸方 ゴルフ場利用税預り金 ×××
・都道府県に税金を納付したとき
借方 ゴルフ場利用税預り金 ××× / 現金・預金 ×××
ゴルフ場利用税は消費税法上課税対象外(不課税)と定められています。
消費税の課税対象は、①国内取引、②事業者が事業として行う、③対価を得る、④資産の譲渡・貸付け・役務提供、のすべてを満たす取引です。
そのため税金は、対価はなく一方的に支払うだけと考えるので、消費税法上課税対象外と考えられています。
2.ゴルフ場利用者(事業者が事業に関連して利用した場合に限る)の会計処理
・例、ゴルフ場において、取引先とのプレー代14,500円、ロッカー代500円、レストランの食事代2,800円、ゴルフ利用税1,200円を現金で支払った場合
借方 交際費 17,800円(課税仕入)/ 現金・預金 19,000円
交際費または租税公課 1,200円 (対象外)
一般的には、ゴルフ場利用税については交際費科目が採用されていると思います。
理由は、ゴルフ場利用税も含めて交際費と考えられますし、他にも課税対象外(不課税)のものがありますが(緑化協力金・ゴルフ振興基金など)、それらも交際費処理されます。
記.名古屋事務所2課
