2021/04/27

贈与税の非課税枠等の見直し

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について

父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた特定受贈者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金で自己の居住用に家屋を新築等をし、同日までにその家屋を自己の居住の用に供した時には、一定金額については贈与税が非課税とされています。
令和3年度税制改正では以下のように見直しがされています。

① 非課税限度額の見直し
「省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅用家屋の場合」
消費税率10%の住宅購入では限度額が1,200万円から1,500万円に、それ以外の居住用家屋では限度額が800万円から1,000万円に引き上げられました。

「上記以外の居住用家屋の場合」
消費税率10%の住宅購入では限度額が700万円から1,000万円に、それ以外の居住用家屋では限度額が300万円から500万円に引き上げられました。
※それ以外:個人間売買による中古住宅の購入

② 床面積要件の下限の引き下げ
取得家屋の床面積要件が改正前は50㎡以上であったのが、改正により下限が40㎡以上に引き下げられました。
ただし受贈者が贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円以下である場合に限ります。

①については令和3年4月1日から12月31日までの間に住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合とされています。
②については令和3年1月1日以後から適用になります。

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について

平成25年4月1日から令和3年12月31日までの間に、祖父母が金融機関に子又は孫名義の口座等を開設し、教育資金を一括して贈与した場合には、その教育資金拠出について子又は孫ごとに1,500万円を限度として贈与税が非課税とされています。
令和3年度の改正ではまずその適用期限が2年間延長され以下のような見直しがされています。

① 信託等があった日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合(その死亡の日において受贈者が下記のイ~ハ、のいずれかに該当する場合を除く)には、その死亡の日までの年数にかかわらず、同日における管理残高を、受贈者がその贈与者から相続等により取得したものとみなされことになりました。
イ 受贈者が23歳未満である場合
ロ 受贈者が学校等に在籍している場合
ハ 受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

② 上記①により相続等により取得したものと見なされる管理残高について、贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課される場合には、その管理残高に対応する相続税額を、相続税額の2割加算の対象とされることになりました。

③ 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の適用の対象となる教育資金の範囲に、1日当たり5人以下の乳幼児を保育する認可外保育施設のうち、都道府県知事等から一定の基準を満たす旨の証明書の交付を受けたものに支払われる保育料等が追加されました。

以上の見なおしは令和3年4月1日以後に支払われる教育資金について適用されます。  

記.大阪事務所3課