2021/04/12

テレワーク時の通信料や電気料金等の費用

在宅勤務手当として支給する場合は課税

在宅勤務をするために通常要する費用について、その費用を負担した従業員に対して事業者が実費相当額を都度精算する場合には、当然給与課税する必要はありません。

例えば、1か月あたり一律5,000円の在宅勤務手当(名称如何を問わず)などとして渡切り支給している場合は給与課税されます。

PC、タブレットなど備品の支給

(1)所有権が会社にある場合
会社に所有権があるものを従業員へ支給することはただの「貸与」に過ぎませんので、給与課税する必要はありません。
例えば、会社が従業員に専ら業務に使用する目的で備品等を「支給」という形で配付し、その配付を受けた備品等を従業員が自由に処分できず、業務に使用しなくなったときは返却を要する場合も「貸与」とみて差し支えありません。

(2)所有権が従業員にある場合
従業員に所有権があるということは「現物給与」と考えられますので給与課税する必要があります。

ネットなどの通信料、電気料金

在宅勤務を行うにあたり発生した通信費や電気料金については、業務に係る部分を合理的に計算して精算を行った場合には、給与課税する必要はありません。
ただこの「合理的に計算」が難しいのですが、今般、国税庁が合理的な計算方法を公表しました。

■通信料
月の通信料 × その従業員の在宅日数/当月の暦日数 × 1/2

この算式だけではわかりにくいので例を挙げます。
例えば4月に在宅勤務を20日行い、月の通信料が10,000円だった場合

10,000円 × 20日/30日 × 1/2 = 3,334(1円未満切上)

■電気料金
月の電気料金 × 業務に使用した部屋の床面積/自宅の床面積 × 在宅勤務日数/当月の暦日数 × 1/2

PCなどの備品もちろん、レンタルオフィスであっても領収証等さえあれば問題ありませんが、通信料や電気料金は容易ではありません。

月々の利用明細書があっても、床面積がわかっても、どちらもプライベート部分がありますますので提出を嫌う従業員もいるでしょう。

給与課税しないようにするためには上記のように従業員本人と給与計算担当者の手間がかかります。

この手間などを考えますと、給与課税されたとしても課税分を加味した金額設定で手当を支給する方が賢いかもしれません。

記.大阪事務所3課