2018/09/10

粉飾決算の法人税と消費税の取扱いの違い

銀行対策で赤字決算を黒字決算にしたのはいいけど…

『昨今の不景気、銀行対策で赤字決算を黒字決算とする必要に迫られ、架空売上を計上しました。』この場合で、次のような処理・手続きは可能なのでしょうか。

(1)架空売上分を課税売上から除外して消費税の計算・申告を行う。
(2)架空売上分を課税売上に含めて消費税の計算・申告を行った。その後1 年以内に更正の請求を行う。

※更正の請求とは、税額が過大であった場合などに、自ら誤っている点を直して正しくすることを請求できる制度のことです。

消費税は法人税と異なり、確定した決算に基づいて申告するという要件はありません。したがって、架空売上分は実際に資産の譲渡等でないため、上記(1)は可能です。ただし、銀行から消費税の申告書の提出を求められると差額の説明が必要となるかも知れませんね。

また法人税法では、仮装経理がされた場合、その仮装を修正し、それに基づく決算申告書を提出するまでは減額更正をしないことになっています(法法129- ②)が、消費税法上ではそのような規定もありませんので上記(2)も認められることになります

<アドバイス!>
安易な粉飾決算や慢性的赤字補填の借入は厳に慎むべきです。しかし、現実はそう簡単でないことは理解できます。ここで大事になってくるのが『計画』なんです。明確で達成可能な利益を出せる事業計画をつくりましょう。 なんとなくではダメなんです!また、計画は一度作ればいいものではありません。経済状況は刻一刻と変わっています。常に先を読み、明確な計画・抜本的対策を打ちましょう!

税理士や専門家など親身に相談の乗ってくれるベストパートナーを是非⾒つけて下さい。