飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A
売り手と買い手で計上基準が異なる場合の適用税率
(国税庁Q&A 問1−4)
Q.当社は検収基準により仕入れを計上していますが、取引先の中には出荷基準により売上げを計上している事業者がいます。例えば、飲食料品に係る取引先の出荷が令和9年3月30日、当社の納品日が同年4月2日で、売り手が消費税率8%で請求した場合に、当社(買い手)は消費税率8%で仕入税額控除を行うことになりますか。
A.国税庁の回答には、
「買い手は、売り手が適用した税率に基づき仕入税額控除を行うこととなります。したがって、買い手は売り手から交付を受けた適格請求書(インボイス)等に記載された消費税率や消費税額等に基づき仕入控除税額を計算することとなりますので、ご質問の場合、売り手が適用した消費税率(8%)に基づき仕入税額控除を行うこととなります。」と記載されています。
問のケースで言うと、買い手は、自社の基準(検収基準)で見れば4月の取引なので、税率1%で処理すると考えたくなりますが、インボイス制度では、仕入税額控除は売り手のインボイスの記載内容に従うこととなっているため、買い手は自社の基準で税率を判断し直す必要はない、ということになります。
したがって、税率8%で処理するのが正しい処理となります。
また、回答の続きには、
「なお、区分記載請求書等で税込価額の記載はあるものの、適用された消費税率(8%又は1%)が明らかでないときは、取引の相手方に確認した上で適用税率を判断することとなります。」
とあります。
3月末から4月初めにかけての納品分については、売り手が「どのように記載すればいいか分からない」と、インボイスの記載内容が不十分であるケースも想定されます。
原則的には、受け取ったインボイスの税率を確認し、その税率で仕入を計上することとなりますが、税率が不明、または疑わしい請求書は、取引先に早めに確認するようにしてください。
税率8%の飲食料品が混在する請求書
(国税庁Q&A 問2−2)
Q.当社は、飲食料品の卸売業を営んでおり、毎月15日締めで取引先に請求を行っています。この場合、令和9年4月分の請求書(3/16〜4/15)には、同年3月までの税率8%と同年4月以後の税率1%の対象商品が混在することとなりますが、インボイスにはどのように記載すればよいか、教えてください。
A.国税庁の回答では、請求書の対象となる期間において、税率8%が適用される取引と税率1%が適用される取引とが混在するときに作成する請求書の例として、次の2つの方法を挙げています。
【方法1】令和9年3月までの取引と同年4月以後の取引について、請求書を分ける。
【方法2】同一請求書内で、令和9年3月までの取引と同年4月以後の取引を区分する。
【方法1】は、請求書を3月分と4月分の2枚に分ける方法です。
1つの請求書に8%と1%の税率が混在することがなくなり、確認しやすいのがメリットですが、支払の際に2枚の請求金額を足し合わせる必要があるのがデメリットと言えそうです。
【方法2】は、同一請求書の中で3月分と4月分を区分し、それぞれで税率ごとの小計を出した上で、最後に、税率ごとに3月分と4月分の合計金額を記載する方法です。
メリット・デメリットは【方法1】の真逆になります。
また、同一請求書の場合は、締日(4/15)を基準として、全体を1%で計算してしまう、というミスが出てきそうです。
上記以外の方法もあるかもしれませんが、いずれにせよ売り手は現在使用している請求システムの対応状況を事前に確認しておくのはマストといえるでしょう。
買い手の会計処理においても、令和9年4月以降数ヶ月は、支払先の締日や請求書の内容を注意深く確認する必要があります。
※上記は法案成立前の内容ですので、最新情報とあわせてご確認ください。
記.大阪事務所1課
