酒税の概要と改正内容
酒税の概要
ビール等の発泡性酒類の税率の前に、酒税の概要を記載していきます。
酒税は、アルコール分1度以上の飲料に課税されます。課税の趣旨では飲用する消費者に負担を求めたいところですが、飲用するごとに酒税を徴収することが現実的に難しいことから、国内で製造される酒類の納税義務者は『酒類の製造者』になっています。酒類を製造者が移出(出荷)した時点で課税されます。法人税等とは異なり、毎月、製造場ごとに申告書を作成して提出しなければならなくなります。会社ごとではなく、製造場ごとになりますので、複数の製造場を設置されている事業者は注意が必要となります。
酒類の製造者 → 酒類の卸売業者・小売業者 → 消費者
※納税義務者
(免許制) (免許制)
消費者から預かった酒税に相当する額を納税義務者である製造者へ支払が滞らないよう、酒類の製造者だけでなく、酒類の販売業者も免許制が採用されています。
なお、居酒屋のように、その場で酒類を飲用する事業者は、酒類の販売業者でなく、消費者として取り扱われ、酒類販売の免許は必要ありません。
原則的な申告書の提出期限と納付期限は次のとおりです。
申告書の提出期限・・・酒類の移出(出荷)月の翌月末日
納付期限・・・酒類の移出(出荷)月の翌々月末日
申告書の提出期限と納付期限が異なる珍しい税となっています。都度申告や納期限の延長といった特例もあります。
酒税の計算方法
酒税は、販売価格に対して課税されるのではなく、出荷数量に一定の税率を乗じて税額が計算されます。
課税標準数量 × 税率 = 酒税額
※控除税額等、規定があるため実際の計算はもう少し複雑です。
税率ですが、酒類を分類して、それぞれの品目ごとに設定されています。
品目の判定が複雑で今回税率の改正があった発泡性酒類は下記のような定義で分類されます。
ビール・・・次に掲げるもので、アルコール分が20度未満のものをいいます。
イ 麦芽、ホップ、水を原料として発酵させたもの
ロ 麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品①及び物品②を原料として発酵させたもの
ハ イ又はロの酒類にホップ又は政令で定める物品②を加えて発酵させたもの
※政令で定める物品①は麦、米、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、でん粉、糖類等物品②は果実又はコリアンダー等
ビールに区分されるものは麦芽、ホップは必ず使用しなくてはならない原料になります。
発泡酒・・・次に掲げるもので発泡性を有するアルコール分20度未満のものをいいます。
(改正前(令和8年9月30日まで)はアルコール分は10度未満でした。)
イ 麦芽又は麦を原料の一部としたもの
ロ イ以外の酒類で、ホップを原料の一部としたもの
ハ イ又はロ以外の酒類で、香味、色沢その他の性状がビールに類似するものとして政令で定める一定のもの
その他の発泡性酒類・・・ビール及び発泡酒以外の酒類のうちアルコール分が11度未満で発泡性を有するもの
(改正前(令和8年9月30日まで)はアルコール分が10度未満でした。)
ビール等の発泡性酒類の税率改正
前置きが長くなりましたが、改正のあった発泡性酒類の税率を記載します。
酒税は税率何%と規定されていません。
1kL(キロリットル)あたり何円と定められています。
【改正前(令和5年10月1日~令和8年9月30日】
ビール ・・・ 181,000円/kL
※350mL(ミリリットル)に換算すると63円
発泡酒
(麦芽比率25%以上50%未満 アルコール度数10度未満)・・・155,000円/kL
(麦芽比率25%未満 アルコール度数10度未満)・・・134,250円/kL
※現実的には売価を安くするため麦芽比率25%未満のものしか製造されていないようでした。
麦芽比率25%未満を350mL換算すると47円
(いわゆる新ジャンル アルコール度数10度未満)・・・134,250円/kL
※令和5年10月以降は麦芽比率25%未満の発泡酒と同じ税率でした。
その他の発泡性酒類(アルコール度数10度未満)・・・80,000円/kL
※発泡性のあるチューハイ等も含まれます
※350mLに換算すると28円
【改正後(令和8年10月1日~)】
ビール ・・・ 155,000円/kL
※350mLに換算すると54円
発泡酒(アルコール度数20度未満) ・・・ 155,000円
※発泡酒内での区分がなくなり、改正前の麦芽比率25%以上50%未満の税率に統一されました。
その他の発泡性酒類(アルコール度数11度未満)・・・100,000円/kL
※発泡性のあるチューハイ等も含まれます。
※350mLに換算すると35円
発泡酒や第3のビールと言われていた新ジャンルはビールと同じ税率になり、発泡性のあるチューハイも税率が高くなりました。
今回の改正はビールは減税、それ以外の発泡性のあるものは増税といった内容になります。店頭での売価に酒税の増減税が反映されているかは、スーパー等の店頭でお確かめください。
記.東京事務所2課
