暗号資産の税務上の取り扱いについて
暗号資産の譲渡の分離課税化
今回の改正については、暗号資産を決済手段から投資のための金融商品として位置づけを見直し、金融商品取引法(以下、金商法)の改正にあわせて税制上の取り扱いを見直したものになります。
現行の所得税法上の暗号資産取引の取り扱いは、事業として行うもしくは事業に付随して行う場合を除いて、原則雑所得(その他雑所得)に区分され、総合課税が適用されているため、最高55%の所得税率が課せられることとなっています。
これが金商法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日以降の取引から、暗号資産取引業者に対して特定の暗号資産の譲渡を行った場合には、分離課税の譲渡所得として20%(所得税15%、個人住民税5%)の税率が課せられることになります。
ここでいう「特定の暗号資産」とは、「金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等」とされており、金融商品取引業者登録簿に記載のない業者との取引や金商法の規制から外れる銘柄については登録されず、分離課税の対象とならない可能性があるものと思われます。
また、暗号資産証拠金取引など、暗号資産デリバティブ取引についても同様に、特定の暗号資産に対するものであれば、先物取引に係る雑所得として、20%(所得税15%、個人住民税5%)の分離課税が適用されるようになります。
譲渡損失の繰越控除が適用可能に
前述の通り、現行では雑所得(その他雑所得)としての取り扱いとなっているため、上場株式の譲渡等のように譲渡損失を翌年以降に繰越して控除することはできないこととされています。
こちらも特定の暗号資産の譲渡損失については、3年間繰越控除が可能となり、翌年以降の暗号資産の譲渡所得から差し引くことができるようになります。
また、暗号資産デリバティブ取引についても、特定の暗号資産に対するデリバティブ取引であれば、先物取引に係る雑所得とし
消費税の取り扱いの見直し
金商法の改正とあわせ、消費税の取り扱いについても見直しされることとなっています。
現行では暗号資産の譲渡は「支払手段に類するもの」として消費税が非課税となっており、消費税の課税売上割合の計算に含めないものとされています。
こちらも暗号資産の分離課税化と同様に金商法改正法の施行の日の属する年の翌年1月1日以後の取引から「有価証券に類するもの」と取り扱いが変更となり、消費税は引き続き非課税のままですが、課税売上割合の計算上、譲渡対価の5%が資産譲渡等の対価の額に算入されることとなり、消費税額が増える可能性があります。
記.東京事務所1課
