法人の事業年度について
法人の事業年度とは
法人は事業年度ごとに決算を行い税務申告を行いますが、その事業年度はどのように決まるでしょうか?
法人税法上では事業年度は財産及び損益の計算の単位となる期間(いわゆる会計期間)で法令、定款等に定めるものとされており、定款等に定めがない場合には納税地の所轄税務署長に届け出た又は指定された会計期間とされています。
一般の株式会社や合同会社などは定款で定めた会計期間となりますが、法令で定められている場合とは例えば銀行などがあります。
また、定款等には定款以外に、寄附行為、規則、規約、などが含まれ、学校法人、宗教法人、組合などの基本的事項を定めた定款に準ずるものが該当します。
また、会計期間が定められていない場合とは法人格のない、自治会、町内会、労働組合、政治団体、同好会などの団体で規則や規約に会計期間の定めをしていない場合が該当し、収益事業を行っている場合に税務署長に届け出た期間や、税務署長が指定してきた期間を会計期間とします。
会計期間は一般的に1年であることが多いかと思いますが、1年未満である場合には、その1年未満の会計期間を事業年度とし、1年を超える場合には、その1年を超える会計期間を1年ごとに区分した各期間を事業年度とします。
事業年度の特例
事業年度には通常の会計期間による期間とは別に、法人の解散や合併などの一定の事実が生じた場合の特例があります。
特例については、事業年度の中途において法人が解散したことなどの一定の事実が生じた場合に、原則的な事業年度の取り扱いにかかわらず、その事実が生じた事業年度については、その事実が生じた日等に終了し、これに続く事業年度はその事実が生じた日等の翌日から開始することとされています。
その事実が生じた日等には以下の日などがあります。
「事業年度の中途において解散をしたこと」
・・・ その解散日
「事業年度の中途において合併により解散したこと」
・・・ その合併の日の前日
「公益法人等又は人格のない社団等が事業年度の中途において収益事業を開始したこと」
・・・ その開始した日の前日
「清算中の法人の残余財産が事業年度の中途に確定したこと」
・・・ その残余財産の確定の日
清算事業年度の注意点
上項で事業年度の特例についてご紹介させていただきました。
事業年度の特例では一定の事実が生じた日等にその事業年度は終了し、これに続く事業年度はその翌日から開始するとされています。
法人が解散した場合は、会計期間の開始の日からその解散日までの期間を解散事業年度として税務申告を行います。
また、これに続く直後の清算事業年度は解散日の翌日から開始することになりますが、その事業年度終了の日について法人によって違いがあるので注意が必要です。
株式会社(有限会社を含む)や一般社団法人及び一般財団法人については、会社法等において清算中の事業年度は定款の定めにかかわらず、解散日の翌日から1年ごととされているため、解散日の翌日から1年を経過する日に事業年度が終了することになります。
上記の株式会社等以外の法人、例えば合同会社や医療法人などについては、会社法等の同様の規定がないため、もともとの会計期間の末日において事業年度は終了することになり、解散日の翌日から開始し会計期間の末日においてその事業年度も終了することになります。
法人を解散した場合には、公告後2ヶ月は清算手続きを終えることはできず、清算事務自体にも通常、数か月から数年かかることになり、清算手続きを終えるまで一定の期間が必要かと思います。
株式会社等の場合であれば、解散直後の清算事業年度は1年の期間があるので、小規模な法人などで清算事務に数か月しかかからない場合はその清算事業年度中に清算手続きを終えることができます。
しかし株式会社等以外の法人については、会計期間の末日に近いタイミングで解散した場合は、解散日の翌日から会計期間の末日までの短い期間が解散直後の清算事業年度となるため、清算手続きを終える前に事業年度は終了してしまいます。
そのため、同じ決算月で同じ解散日の場合でも法人の種類によって税務申告の回数が変わってくる場合があるので注意が必要です。
記.東京事務所1課
