2024/12/25

登記簿の代表取締役等の住所について

代表取締役等住所非表示措置の概要について

代表取締役等住所非表示措置は、一定の要件の下、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人(以下「代表取締役等」といいます。)の住所の一部を登記事項証明書や登記事項要約書、登記情報提供サービス(以下「登記事項証明書等」といいます。)に表示しないこととする措置です。

代表取締役の住所非表示措置の要件

要件1 登記申請と同時に申し出ること

代表取締役等住所非表示措置の申出は、設立の登記や代表取締役等の就任の登記、代表取締役等の住所移転による変更の登記など、代表取締役等の住所が登記されることとなる登記の申請と同時にする場合に限りすることができます。

要件2 所定の書面を添付すること

今回は上場法人以外の株式会社の場合の必要書類(以下1から3までの書面)を説明します。
1.株式会社が受取人として記載された書面がその本店の所在場所に宛てて配達証明郵便により送付されたことを証する書面等以下の書面が該当します。
(1)株式会社が受取人として記載された配達証明書(株式会社の商号及び本店所在場所が記載された郵便物受領証についても併せて添付してください。)なお、配達証明書又は郵便物受領書に記載された株式会社の商号又は本店所在場所が登記記録と合致しない場合は、代表取締役等住所非表示措置を講ずることはできません。
(2)登記の申請を受任した資格者代理人(登記の申請の代理を業として行うことができる代理人に限られる)において株式会社の本店所在場所における実在性を確認した書面
   
2.代表取締役等の氏名及び住所が記載されている市町村長等による証明書
以下の書面が該当します。
なお、代表取締役等住所非表示措置の申出と併せて行う登記の申請書にこれらの証明書が添付されている場合は、改めての添付は不要です。
(1)住民票の写し
(2)戸籍の附票の写し
(3)印鑑証明書  など  

3.株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証する書面
以下の書面が該当します。
なお、株式会社が一定期間内に実質的支配者リストの保管の申出をしている場合は添付不要です。
・登記の申請を受任した資格者代理人(司法書士又は司法書士法人に限る)が犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号)の規定に基づき確認を行った実質的支配者の本人特定事項に関する記録の写し

以上のほか、代表取締役又は代表執行役の重任の登記や本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の新本店所在における登記であって、既に登記されている代表取締役又は代表執行役の住所から変更がない場合であっても、代表取締役等住所非表示措置を申出をすることができます。

住所を非表示にするデメリット

1. 金融機関からの融資が不利になる
金融機関は、融資に関する審査を行う際、代表取締役の資産状況や信頼性を重視します。そして、代表取締役の住所は資産状況や信頼性を審査するうえでの重要な項目のひとつです。そのため、登記事項証明書などで住所が非表示になっていると、審査が困難になるなどで融資を拒否されたり、手続きに時間を費やす可能性があります。

2. 取り引きや手続きにかかる手間が煩雑になる
不動産の取り引きや、法務上の手続きなどをすすめる時に、代表取締役の住所を証明するため、登記事項証明書の提出が必要となるケースがあります。住所が表示されていないと、追加の証明書が必要になるなど、取り引きや手続きの手間が煩雑で、時間と費用がかかる可能性があります。

記.大阪事務所2課