2017/12/18

節税の基本スタンス

『真の節税』とは?

さて、皆様は『節税』というと、どのようなイメージをお持ちですか?
“素人”には思いも付かないような税法の抜け穴を突いた方法を駆使して、魔法のように税金を少なくする方法ですって?

実は節税にそんな「ウルトラ C」なんてありません!
「ウルトラC」と⾔われるものは、実は“ 節税 ”ではなく、“ 脱税 ”もしくは脱税に近い“ グレーゾーン ”と言われるものが多いのです。

“グレーゾーン” とはその名の通り『白(合法)とも黒(違法)ともつかない判断が微妙な取引内容』を意味します。
実務的に判断に迷うのはこういった部分ですし、税務調査の際に指摘を受ける確率が高いのもこのような部分だったりします。

判断が微妙ということは、受け取り方ややりようによっては『節税 = ウルトラ C』的な効果を生み出す、という結果へ繋がることも確かにあります。
しかし、所詮 “グレーゾーン” は “グレーゾーン” です。
“グレーゾーン” に手を出して税金を減らす取り組みをするということは、様々なリスクを背負い込むことに他なりません。

本ホームページ上で、「ウルトラ C」ではなく、「節税テクニック」「合法的な裏ワザ」は満載していきます。

節税の具体的方法は次項以降の本分に譲りますが、主に節税の「考え方」「基本スタンス」を学んでいただきたいと思います。

テクニックや裏ワザばかりに興味を示される方が多いですが、長い目で見た場合、実はあまり役に立ちません。

会社を永続的に繁栄させるためにも、「正しい節税の考え方」を是非ともご理解いただきたいのです。

節税の基本

『経費をたくさん』だけが節税じゃない!

皆様の持つ「節税」のイメージについて少し触れますが、「節税=経費をたくさん使う」というイメージの方が多いのではないでしょうか?

つまり「お金を支出する」ことですね。

でもそれでは、節税はできても会社にお金はなくなっちゃいますよね…?

税金を抑えたいのに、必要のない経費などを使い込んだところで、ただ無駄使いをしただけで、会社にお金は残りません。

税金で支出するか、無駄使いでの支出かの違いだけですね。
確かに巷で聞く節税策の多くが「お金を使う」方法であることも否めません。
でも「お金を使わない節税方法」も実はたくさんあるのです!

「節税」というのは、「決められた法律(税法)の範囲内で税金が少なくなる方法を選択する」ことです。その範囲内には、お金を無駄使いすることなく、税金を少なくする方法がたくさん存在しています。

また、その税法を上手く活用するには、どれも前もって計画することが必要なのです!

以上のことを踏まえて、「賢い節税」の基本スタンスを下記にまとめました。下記の項目の⼀つ⼀つについては、後ほど詳しく説明いたしますが、下記 4 項目は本章で最も学んでいただきたい核となる部分です。
まずは初めにご確認下さい。

(1)経費として計上できるものをすべてきっちり計上する。
(2)有利な選択・届出をきっちり行う
 (青届け等の基本的な税務手続きを全て行っている)。
(3)所得分散をきっちり行う(社⻑の給料は適正額を取っている)。
(4)政策で認められている税制優遇制度をきっちり活用する。

節税の仕組みと脱税

合法的に処理をすることが大前提!

「節税」は「決められた法律(税法)の範囲内で税金が少なくなる方法を選択する」でした。
では「脱税」はというと、「税法で定められたことを破ってしまうこと」です。

当たり前のことですが、「脱税」は違法です。税務署に発見された場合は重~い「罰則」が課せられます!では「節税」と「脱税」の違いをもう少し見てみましょう。
事業を営む上でかかってくる税金は、年間の「利益(もうけ)」に対して税率をかけて計算します。「利益」は「売上(収入)-経費」の算式にて計算します。

この算式からも分かるように、利益を減らせば税金は減ります。
では利益を減らそうと思えば、次の 2 パターンの方法に集約されます。

「経費を増やすこと」 「売上を減らすこと」

これらの方法を合法的に行なうことが「節税」ですね。

「脱税」の仕組みも実は単純なのです。「利益」を減らせば税金も減るわけなので、利益が減ったように経理上の細工をするんです。
ないもの(経費)をあるように見せかけ、あるもの(売上)をないように見せかけることですね。いわゆる「経費の水増し」「売上隠し」なんて言われます。
新聞やニュースでよく見かける、⼤きな脱税事件なんかも、とても難解で複雑怪奇なことをやっているように見えて、ひも解けばほとんどがこの 2 パターンに当てはまります。
で、結局はあっさり税務署に見つかってしまいます。